2001年半導体市場,33%のマイナス成長

【国内記事】2001.12.20

 ガートナージャパンのデータクエスト部門は12月20日,同社が行った世界半導体のマーケットシェア調査の速報値を発表した。2001年の世界半導体市場は,2000年末から続く世界的な景気後退の影響で,1520億ドル,前年比33%減の過去最悪の下げ幅を記録したという。上位10社の売上高は前年比19%から49%の幅でマイナスとなったとしている。

 チーフアナリストのメアリー・オルソン氏は「新しい技術分野に対する起業や投資という事業モデルは2001年に崩壊した。我々は2002年にさらなる統合,整理が進むと予測している」と話している。

 世界の半導体市場をメーカー別にみると,インテルが首位の座を保持。東芝は昨年に引き続き,2位を確保している。2000年に6位だったSTマイクロエレクトロニクスは,上位10社の中では最も下げ幅が低く,3位となっている。

世界半導体メーカーランキング
1.インテル
2.東芝
3.ST マイクロエレクトロニクス
4.サムスン
5.テキサスインスツルメンツ
6.NEC
7.モトローラ
8.日立製作所
9.インフィニオン
10.フィリップス

 NECは前年3位から2001年は6位となった。この一因には,NECと日立製作所のDRAM合弁会社であるエルピーダの設立があるという。ガートナーの定義で,2001年のNECと日立製作所におけるDRAM分野での売上はエルピーダの売上高として計上されている。このためNECについては,DRAM分控除後の2000年売上高比較で36.8%減,単純比較で前年比49.4%減となっている。同様に日立製作所もDRAM分を除いた2000年売上高と比較すると前年比22%のマイナス成長となる。

 DRAMの市況悪化,価格下落にともない,DRAMへの売上依存度が高いサムスンは4位と順位は変わらなかった。一方,昨年10位だったマイクロン・テクノロジーは前年比40.3%のマイナス成長で,ランク外の19位となっている。

 オルソン氏は,ワイヤレスデータ通信やネットワーク分野などへの投資が続いており,5年後以降の成長のカギを握ると話している。

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