NetWorker新バージョンでSANとNASの統合を目指すレガート

【国内記事】2001.12.25

 レガートシステムズは先日より,企業向けストレージ管理ソフトウェアの最新バージョンとなる「Legato NetWorker 6.1日本語版」の出荷を開始した。この新バージョンで同社は,従来ストレージの中心となってきたテープ装置やDAS(Direct Attached Storage)のみならず,SAN(Storage Area Network)やNAS(Network Attached Storage)の統合を目指している。

NetWorker 6.1(Solaris版)の画面。インタフェースはすべて日本語化された

 NetWorkerは,複数のプラットフォームが混在する環境において統合的にストレージを管理できるソフトウェアで,OEMの形でも提供されている。国内ではWindows NT/2000版とSolaris版が提供される(Linuxについては英語版でサポートする)。

 同製品は,バックアップ対象となるデータが蓄積されているPCなどにインストールされる「バックアップクライアント」と,バックアップの一元管理,制御やスケジューリングといった機能を提供する「バックアップサーバ」,それに,クライアントの機能にテープなどのデバイス管理機能を加えた「バックアップストレージノード」という3つのコンポーネントから構成されている。

 こうした構成を取ることにより,バックアップ対象となるデータ容量が増加した場合にも,サーバによる一元管理を維持しつつ,ストレージノードの追加によって柔軟に対応できることが特徴だ。

バージョン6.1ではSANとNASへの対応を強化

 NetWorker 6.1(正確には6.0以降)では,このストレージノードの拡張版として,新たに「SAN ストレージノード」が追加された。これは,SAN/SCSI経由のバックアップに特化したストレージノードで,LANフリーのバックアップ/リストアを可能にする。しかも,従来より提供されてきたストレージノードよりも安価に提供されるため,コストパフォーマンスに優れたSANシステムを構築・運用できるという。

 このSANストレージノードではまた,テープドライブなどのライブラリ共有機能が提供されるほか,オプションとしてダイナミックドライブ共有機能が提供される。このオプションを利用すれば,データゾーン内での動的なドライブ共有が可能となり,ドライブの可用性をさらに高められるほか,バックアップ効率の向上にもつながるという。

 一方NASについては,NDMP(Network Data Management Protocol)のサポートによって,NAS製品を統合的に管理し,バックアップやリストア作業が行えるようになった。既に,ネットワークアプライアンスやEMC,オースペックなどの製品について,検証済みだという。また,スナップショットによるバックアップ/リカバリもNDMPベースで実装している。

 もちろん,NAS製品には独自の管理ソフトウェアが添付されることが多いが,NetWorker 6.1はそれだけでは手の届かない部分をサポートし,ストレージネットワークの形態に応じた柔軟な管理を実現できると同社は説明している。

 レガートシステムズの技術部長を務める信川茂久氏は,「NetWorker 6.1日本語版では,大規模なストレージシステム,クロスプラットフォームのシステム,それにSAN/NASを含んだストレージシステム,すべてについて管理できる」と語った。

 NetWorker 6.1の価格は21万8000円から。12月3日より出荷が開始されている。

 なお同社は12月25日に,米IBMのテープライブラリ「TotalStorage Ultrium LTO」とDB2に,NetWorkerがバンドルされることも発表している。

関連リンク

▼レガートシステムズ

[ITmedia]