シマンテック,グループウェア向けウイルス対策製品を強化

【国内記事】2002.01.31

 シマンテックは1月31日,マイクロソフトの「Exchange」とロータスの「ノーツ ドミノ」に対応したウイルス対策ソフトウェアの新バージョンを発表した。

 同社は企業向けウイルス対策製品を,ゲートウェイ向け,デスクトップ/ファイルサーバ向け,そしてグループウェア向けの3レイヤに分けて展開している。

 今回発表された「Norton AntiVirus 2.5 for Lotus Notes/Domino on Solaris」「同 AIX」(NAV Notes on Solaris, AIX)と「Symantec AntiVirus/Filtering 3.0 for Microsoft Exchange(SAV/F MS Exchange)」は,名称のとおりグループウェア向けの製品だ。両製品とも,2月18日より販売が開始される。

 同社社長を務める成田明彦氏は,「ウイルス対策にはさまざまなレイヤでの対応が必要だ。また,Code RedやNimdaといった複合型の脅威が多く登場してきた現在,企業にはウイルス対策だけでなく,不正侵入対策も求められるようになっている」と述べた。その上で,今回発表した2製品によって,グループウェア内に存在する企業の重要な情報資産を保護できるようになるとしている。

 なお,今回発表された2つの製品は,同じグループウェア向けウイルス対策製品でありながら,ブランド名が「Norton」と「Symantec」の2種類に分かれている。同社の説明によれば,これはバージョンの違いに起因するもの。

 今後同社は,企業向け製品群をSymantecのブランド名に統一していく計画であり,ゆくゆくはNAV Notes on Solaris, AIXもSymantecブランドに変更される見込みだ。

ノーツ版はSolaris/AIXに対応

 NAV Notes on Solaris, AIXは,ノーツ ドミノのデータベースなどに潜むウイルスを検知,削除する製品。同社は既に,Windows NT 4.0/2000対応の「Norton AntiVirus 2.5 for Lotus Notes」を提供済みだが,新製品はSolarisとAIXの両プラットフォームに対応した。

 機能はWindowsプラットフォーム向けのものとほぼ同じだが,Solaris,AIXの場合は非常に大きなデータベースを運用しているユーザーが多いことを踏まえ,業務に影響を与えないように,一定時間だけウイルススキャンを行うようにスケジュールする「Scan Windows」機能が搭載されている。

 対応プラットフォームは,Solaris版はSolaris 2.6/7/8以上,AIX版はAIX 4.3.2もしくは4.3.3以上となり,ノーツ ドミノはR5.05以上となっている。価格はノーツのクライアント数に準じたライセンス制をとっており,100〜249ライセンスの場合で4000円からとなる。

コンテンツフィルタリング機能や管理機能を充実させたExchange版

 SAV/F MS Exchangeは,「Norton AntiVirus 2.5 for Microsoft Exchange」の後継バージョンだ。新たにコンテンツフィルタリング機能を搭載し,バージョンが3.0に上がったことを機に,ブランド名はNortonからSymantecに変更された。

 今回搭載されたコンテンツフィルタリング機能では,HTTPプロトコル経由で入り込む可能性のあるマリシャスプログラム(悪意あるプログラム)をブロックするほか,あらかじめ設定したキーワードを元に電子メールのフィルタリングを行える。これにより,添付ファイル付きの電子メールで感染を広めるウイルスを効果的に検知できるだけでなく,情報漏洩やスパムメールの防止も可能となる。

 また,複数のExchangeサーバに対する管理を一元的に行える,管理コンソール機能も追加されている。従来より,Webブラウザを通じてリモートから管理を行う機能は搭載されていたが,これはログのチェックといった機能が中心だ。これに対し管理コンソールでは,ネットワーク内のExchangeサーバの状況を把握できるだけでなく,リモートからのインストールなども可能となっている。

 さらに,一定時間のうちに特定形式のメールが大量に受信された場合に管理者に警告を送る,アウトブレーク通知という機能を搭載した。これは,添付ファイル付きの電子メールの形で,短時間に広範囲に感染を広めるウイルスが多数登場していることを背景に追加されたものだ。

 SAV/F MS Exchangeの対応プラットフォームは,Windows 2000 Server/Advanced Server(SP2)とExchange 2000 SP1の組み合わせとなる。また管理コンソールは,Windows 2000 Professional SP2かWindows XP上で動作する。こちらも価格はライセンス制で,100〜249ライセンスの場合で,1ライセンス当たり3090円からとなっている。

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[高橋睦美 ,ITmedia]