RSAとインテックW&G,バイオ事業でのセキュリティ技術開発分野で提携

【国内記事】2002.2.07

 RSAセキュリティとインテック・ウェブ・ゲノム・インフォマティクス(インテックW&G)は2月7日,都内で記者発表会を行い,ネットワーク医療やゲノム創薬などのバイオ事業におけるセキュリティ技術開発に関して,業務提携を結んだことを明らかにした。

 インテックW&Gは,先端的なITをベースに,Web事業とバイオ事業として,顧客企業や研究所に対してシステム構築などの支援サービスを行っている。

 バイオ事業に関しては,ヒトゲノムが解読されてデータ量が爆発的に増大しており,情報管理システムの整備が急務となっているという。特に,ゲノム創薬研究では,特許申請が相次ぎ,特許の有無が事業の成功を左右するようになっているという。

 両社による具体的な提携内容は3つ。ネットワーク医療やゲノム創薬分野において,顧客企業などを支援するシステムやセキュリティ技術の開発を共同で行う。例えば,遺伝子研究を支援するシステムや,蛋白/化合物予測システムなどを構築することになるわけだ。

 また,同社は,RSAセキュリティの暗号ツール「RSA BSAFE」を,顧客システムに組み込んで提供する。さらに,ユーザー認証ツール「RSA SecureID」とPKI製品「RSA Keon」の販売代理店として,顧客に提供していく。

 インテックW&Gは今回の提携を生かし,ゲノム創薬とネットワーク医療の実現に向けて,研究組織や建物内にあるデータへのアクセスコントロール,バイオインフォマティクス事業のASP展開,さらには,電子カルテなどによって遠隔地からの診療を可能にするネットワーク医療の実現を目指しているという。

 例えば,実際にゲノム創薬などを行う顧客企業および研究所内の研究成果を守るため,RSA SecureIDのワンタイムパスワードを利用する。これで,アクセスコントロールを実現するわけだ。

 また,ASP展開に向けて,同社は「バイオインフォマティクスASPセンター」を持つ。ASPを利用する企業が,インターネット経由で同センターにアクセスし,情報をやり取りする際に,デジタル証明書などを利用して,データのセキュリティを確保する。両社は,このセキュリティシステムの開発でも協力するとしている。

 一方,ネットワーク医療が実現すると,医療機関は,電子カルテなどによって患者の病歴を電子的に管理することになる。電子カルテ情報は最上級のプライバシーとも言える。この情報の漏洩を防止するために,強力なセキュリティの仕組みを構築することが必要になった。このことも,今回のRSAセキュリティとの提携につながったとしている。

 なお,RSAセキュリティは,セキュリティや電子認証の標準化にも貢献する業界大手。SSLを標準化したのも同社で,1995年にはベリサインを分社化している。

関連リンク

▼RSAセキュリティ

▼インテック・ウェブ・ゲノム・インフォマティクス

[怒賀新也 ,ITmedia]