前年割れの2001年国内PC市場,首位はNECと富士通が分ける

【国内記事】2002.2.14

 ガートナージャパンのデータクエスト部門は2月14日,2001年(暦年)の日本パーソナルコンピュータ市場に関する調査結果の速報値を発表した。それによると,2001年の日本のサーバを除くパソコン市場は,ベンダー出荷台数で1284万台,対前年比マイナス7.8%となった。

 前年割れとなったのは,景気低迷によって1998年に出荷台数が対前年比1.3%減となって以来。

 出荷台数の上位5社は,NEC(21.1%),富士通(21.1%),ソニー(11.0%),日本アイ・ビー・エム(7.7%),東芝(7.4%)となった。

 ガートナーでは,過去2年にわたって拡大してきた個人市場において,新規需要の減退感と出荷台数の落ち込みが響いたと分析している。また,2001年前半まで堅調に投資を行ってきた企業ユーザーにおいても,後半からは景気低迷を受けクライアントPCへの設備投資が抑制され始めたとしている。

 加えて,個人・ビジネス市場ともに,2001年は大きな買い換え需要のタイミングではなかったことも,飛躍的に市場が拡大した2000年と比べ出荷台数が伸びなかった一因だと分析している。

 対前年比でマイナスとなったのは,景気低迷によって1998年に出荷台数が対前年比1.3%減となって以来だ。1999年には,個人の買い換え需要,インターネット・電子メールによる個人市場の新規需要拡大,法人市場における西暦2000年問題対応での買い換え需要によって市場低迷からすぐに脱却している。続く2000年も個人需要のすそ野拡大と企業の堅調な投資継続により,飛躍的な成長を遂げた。

 2001年はこのような市場急拡大のリバウンド現象とも言える需要停滞に加え,景況感の悪化・不透明感というマイナス要因が重なったため,出荷台数で大きな前年割れとなったとガートナーではみている。

 なお,形状別動向では,ノートブックPCの出荷構成比が2000年の45.2%から50%に拡大,台数も前年から約3%の微増となる見込みだ。一方,デスクトップPCは対前年比マイナス15%を下回るという。

関連リンク

▼ガートナージャパン

[ ITmedia]