ベリサイン,広範なWebアプリケーションサーバベンダーと提携

【海外記事】2002.2.20

 米ベリサインは米国時間の2月19日,RSA Conference 2002の会場で,本人確認・認証といった同社の一連の技術とWebサービスの統合を目的に,主要なWebアプリケーションサーバベンダーと提携したことを発表した。

 この提携は,同社が新たに提唱している「デジタル・トラスト・サービセズ」フレームワークに沿って行われた。同社ESP部門のゼネラルマネージャ兼上級副社長を務めるアニル・ペレイラ氏は発表の席で,このフレームワークを「(今回の提携は)ビジネスプロセスに沿い,しかも既存のシステムと統合された信頼のメカニズムを提供するもの」と表現している。

 デジタル・トラスト・サービセズに関してベリサインと提携を結んだのは,BEAシステムズ,ヒューレット・パッカード,IBM,マイクロソフト,オラクル,サン・マイクロシステムズ,それにウェブメソッドの7社だ。

 これら各社が提供するWebアプリケーションサーバに,ベリサインが持つPKIベースの認証・認可,トランザクションといった技術を組み込むことで,「新たな信頼サービス」を実現するという。

 既存アプリケーションとは,XKMS(XML Key Management Standard)やSAML(Security Assertions Markup Language)といった技術をベースとしたインタフェースを通じて統合されることが特徴だ。ただし,日本での展開時期については明らかにされなかった。

「かつて1995年前後に,WebブラウザにPKIベースのサーバ認証技術を提供し,電子商取引を後押ししたのと同様に,今度はWebサービスを提供するe-ビジネスプラットフォームにわれわれの技術を組み込むことで,自動化された安全なWebサービスを提供する」(ペレイラ氏)

「今回の提携によって安全なWebサービスを実現する」と述べたペレイラ氏

 今回提携を結んだ7社の分だけでも,相当数のWebアプリケーションがカバーされることになるが,ベリサインは同時に,APIおよび開発ツールも提供する。これは,独自アプリケーションを構築している企業を対象としたものだ。

 ペレイラ氏はさらに,「ベリサインは,本人確認とアドレッシング,認証・認可,信頼できるトランザクション,これら3つすべてを提供できる唯一の会社だ」とした。

 同社は昨年より,それまでのインターネット上でのサービスに加え,テレフォニーマーケットにも同様の枠組みを提供している。同社ではこれから数年をかけて,長期的にインターネットとテレフォニーマーケット向けのソリューションを統合していく計画だ。

「今回の提携によって,信頼できるWebサービスのプラットフォームを提供できる」(ペレイラ氏)。

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[高橋睦美 ,ITmedia]