Case Study:.Net Serverと企業インフラとしてのWindows XPをテストするJR東日本情報システム
| 【国内記事】 | 2002.2.27 |
Windows XP 日本語版が2001年11月16日に登場しておよそ3カ月が過ぎた。企業インフラとしては,まだユーザー事例は多く出ていない。Windows XP Professionalと次期サーバOS「Windows .Net Server」を社内システムとして試験導入しているJR東日本情報システム(JEIS)に話を聞いた。同社は,マイクロソフトとパートナー関係にある。
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| 牧野氏とサブリーダーの鍬守氏(左) |
JEISは名前からのイメージ通り,JR東日本の鉄道事業を支えるシステムを引き受けるインテグレーターだ。鉄道輸送システムや駅収入管理システム,最近ではSuicaや,えきねっとの開発も担当している。同社技術部でリーダーを務める牧野一之氏は,人の命を運ぶ鉄道関連のシステムは「安全性の確保と常に隣り合わせであるため,テストには非常に気を使う」と話している。
同社技術部でサブリーダーを務める鍬守文雄氏は,「Windows 98と比べてパフォーマンスも問題はない」と話す。XPの機能としては,Multilanguage User Interface(MUI)を外国鉄道企業との活動で活用するという。また,大量のPCにWindows XPを自動インストールできる「System Preparation Toool」(sysprep)も便利な機能だとしている。
そして,同氏が最もメリットとして挙げたのは,Windows XPのリモートアシスタンス機能だ。JEISの技術者は,1万人を超えるJR東日本のユーザーをサポートしている。そこで,リモートアシスタンス機能を利用し,問い合わせをしてきたユーザーにリモートから対応すれば,エンジニアがユーザーサイトに出向くよりも問題を早く解決できる。問題が早く解決することで,ユーザー業務のダウンタイムも少なくすることができるという。
逆に,サポートスタッフのエンジニアは,現場に移動することが少なくなる分時間をセーブでき,技術者としてより高度な問題に時間を振り向けることができるようになることもメリットだ。
鍬守氏は,Windows XPのベータ版をテスト導入している間,「文字サイズを大きくしてほしい」などの要望を,マイクロソフトにフィードバックとしたという。また,ベータ版では幾つかのバグにもぶち当たった。
「IMEが使いモノにならない状態だった」とエピソードを話す同氏。例えば,テキストエディタに「こんばんは」と書き,文字をマウスでクリックした状態で,ドラッグすると,「こんばんは」の文字が大量にできてしまうといったものもあったという。もちろん,製品版では修正されている。
その意味で,鍬守氏は,同社がベータ版を運用したことは,「マイクロソフトにとってのメリットの方が大きかった」と笑う。
それに関して同氏は,Windows XPの運用期間がある程度経過した現在,新たなバグも幾つか見つかったと話す。同氏が挙げたのは,イントラネットの中で,Active Directoryのパスワード期限が切れる場合に,それをユーザーに通知するダイアログが出現しないというもの。
一方,JR東日本本社にWindows XPを導入することを考える場合,Windows 2000 Serverあるいは,次のサーバOSであるWindows .Net Serverをベースに,Group Policy(ユーザーをグループ分けして権限を制御する機能)を使えば,さらに技術者の時間節約が可能になるとしている。
.Net Serverの最新のテスト状況
同社は,マイクロソフトとの協力関係に基づき,25台のサーバを新規導入してWindows .Net Serverを全社的にテストしている。
「使っている感じだと,結構いけそう」と大まかな印象を話す鍬守氏。運用する上で,細かい機能が改善されていることがその理由という。
例えば,1つのActive Directory内で別の人が同時にデータを変更する場合について。Windows 2000 Serverでは,ファイルベースで変更を管理していたため,時間的に最後に更新した部分だけしか反映されないケースがあったという。.Net Serverでは,これがプロパティベースになり,その不具合は基本的には発生しなくなるという。
また,セキュリティも強化されているいう。新機能のポイントとしては,要求しない限りサービスをインストールしない仕様になったという。また,サーバでもWindows Updateが利用できるようになったことも便利だとしている。
そのほか,IISのロックダウンツールやActive Directoryの管理ツールの操作性,IISにSharepoint Team Serviceが標準で添付されるようになったことなども挙げられた。
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[怒賀新也 ,ITmedia]

