サン,Webサービスを携帯電話にも拡張へ

【海外記事】2002.3.25

 サン・マイクロシステムズは3月25日,JavaOne 2002 San Franciscoで,Webサービスの機能を携帯電話やPDAに持ち込む構想を明らかにした。J2ME(Java 2 Micro Edition)上でWebサービスがサポートされれば,デベロッパーはバックエンドからワイヤレス端末まで一貫した技術によってWebサービスを配布できるようになる。

 ARCグループの予測によれば,2001年に1500万台だったJava搭載のワイヤレスデバイス市場は,2006年に1億台を突破するという。オープニングのキーノートに登場したサン・マイクロシステムズのリッチ・グリーン副社長は,「Webサービスがワイヤレスという新しい世界でも利用できるようになる」とデベロッパーらを前に話した。

 サンでは,開発ツールのForte for Java wireless toolkit,ガイドラインであるJava blueprints,およびJava Community Process(JCP)のJSR(Java Specification Request:Java仕様に関する要求)をベースとしたAPIを提供する。このJSR(172)はサンによって提出され,JDeveloperのオラクル,CodeWarrior for Javaのメトロワークス,JBuilderのボーランドらによって支持されており,彼らは将来の開発ツールでこの仕様をサポートする計画だ。ハードウェアメーカーでは,RIM(リサーチインモーション),シーメンス,シンビアン,ノキア,およびモトローラが支持を表明している。

 このAPIは,90日以内にサンから詳細が提供されるという。

 グリーン氏は,「新しいAPIによって,ハードメーカー,サービスプロバイダー,コンテントクリエーターらは,迅速でコストの安い開発手法によって新しい収益源を確保することができる。デベロッパーにとってもワイヤレス端末の市場は大きなビジネス機会がある」と話す。

 JSR 172は,SOAP(Simple Object Access Protocol),UDDI,およびebXMLといったWebサービス標準をワイヤレス端末に拡張するもの。2003年夏には最終的なJCPエグゼクティブコミッティーの承認を得る予定。

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▼サン・マイクロシステムズ

[浅井英二 ,ITmedia]