NetBeansベース新Forteファミリー,既存のC/C++アプリもWebサービス化

【海外記事】2002.3.28

 サン・マイクロシステムズは3月27日,JavaOne 2002 San Franciscoで,「Forte」開発ツールの次期バージョンが入手可能になったことを明らかにした。Sun ONE(Sun Open Net Environment)アーキテクチャをサポートする新しいForteは,オープンソースのNetBeans上にサンのIDEを統合しており,Javaをはじめとする主要な開発言語によるシームレスな開発が可能な初めてのツールとなる。

 新しいForteは,WebサービスやEnterprise JavaBeans(EJB)コンポーネント開発をサポートする「Forte for Java 4, Enterprise Edition」,モーバイルデバイスアプリケーション向けの「Forte for Java 4, Mobile Edition」,クライアントからWeb層(JSP/Servlet)までをカバーする「Forte for Java 4, Community Edition」,そしてC/C++アプリケーションをSun ONEへと拡張する「Forte Developer リリース7」から構成される。

 ハーウィッツグループのシニアアナリスト,キャサリーン・クイーク氏は,「複数言語をWebサービス対応の単一のIDEでサポートすることは,既存のアプリケーションを新しいアーキテクチャモデルに融合させていくことを容易にしてくれる。複数言語の環境でも開発と保守が簡素化され,生産性も向上する」と話す。

 新しいForteシリーズは,最新のNetBeans(リリース3.3.1)がベースとなっており,性能向上,IDE起動時間の短縮,およびメモリ消費量の削減などが図られている。

 これが最初のリリースとなるForte for Java 4, Mobile Editionは,J2ME(MIDP/CLDC)開発に最適化されたIDEだ。

 また,Forte for Java 4, Enterprise Editionは,J2EE 1.3のコンパチビリティテストをパスしており,J2EE 1.3リファレンスインプリメンテーションや多くのJ2EE互換アプリケーションサーバにアプリケーションを配備できる。

 加えて,iPlanet Application Serverの次期版,Oracle9i Application Server,およびBEA WebLogic Serverに対しては配備が自動化できるという。

 Forte Developer 7は,NetBeansアーキテクチャをベースとする最初のリリースとなる。これによってForteツールファミリーは,単一の基盤のうえに統合されたことになる。Forte DeveloperのEnterprise Editionには,Native Connector Tool,スペック,ライブラリ群,およびウィザードが含まれており,レガシーアプリケーションをWebサービス化できる。

 デベロッパーらは,Forte Developer 7を使うことで,ネイティブのC/C++アプリケーションやライブラリをJavaクラスやXMLベースのサービスとして簡単にバインド,およびカプセル化し,サービスアーキテクチャに組み込むことができるという。

 複数言語のデバッギングもForte Developer 7の大きな特徴だ。Java,C/C++,Fortranで書かれたコードをシームレスにデバッグできるという。

 正式版の出荷は夏だが,Forte for Java 4のアーリーアクセス版がWebサイトからダウンロードできる。

[浅井英二 ,ITmedia]