モーバイルJavaアプリの構築を簡素化するAligo M-1
【海外記事】 | 2002.3.29 |
携帯電話やPDAなどネットワーク接続されたモーバイルJava端末が台頭する中,企業はどのようにモーバイルアプリケーションを開発するのか,という新しい問題に直面している。
Javaは,端末からサーバまで,エンドツーエンドを統一されたプログラミングモデルでカバーすべく拡張を続けているが,ワイヤレス環境となると,そこまで対応できる開発ツールはほとんどない。
カリフォルニア州サンフランシスコのアリゴは,今週地元で開催されている「JavaOne 2002 San Francisco」に,Javaベースでモーバイルアプリケーションを開発するための「Aligo M-1 Mobile Application Server」(Aligo M-1)を出展している。
CTOを務めるジェフリー・カポネ氏は,「ひとくちで“モーバイル”といっても,J2EEサーバからワイヤレスJava端末までのエンドツーエンドでは,さまざまな要素が組み合わせられていて,1つといって同じものはない」とデベロッパーらの課題を指摘する。
ジェフリー・カポネCTO |
特に端末サイドはいろいろで,iモードもあれば,J-フォン,EzWebもある。PocketPCのようなPDAではまた異なる。また,ワイヤレス接続されているときもあれば,されていないときもある。デベロッパーがこれらすべてに対応したアプリケーションを書くのは至難の業だ。
「サンはJavaによって新しいパラダイムの到来を狙った。Javaのアイデアを最初にインプリメンテーションしたのはわれわれだ」(カポネ氏)
Aligo M-1は,「デリバリー」「処理」「インテグレーション」および「デザイン」といった各種モジュール群から構成されている。「M-1 Studio」と呼ばれるNetBeansベースのデザイン環境を使えば,ウィザードやドラッグ&ドロップによって,バックエンドのデータベースやSFA,ERPにアクセスできるモーバイルアプリケーションを開発できるという。
しかも,J2EE,PersonalJava,およびJ2MEのコードを一度に自動生成してくれる。プロファイルの異なる携帯端末ごとにテンプレートがあらかじめ用意されるが,デベロッパーが登録することもできるという。
また,オフライン時にサーバ側と端末側でデータの競合が発生することも考慮に入れ,それを回避するシンクロ機能もデリバリーモジュール群に含まれている。
「Aligo M-1でモーバイルアプリケーションを一度構築すれば,どこへでも配備できる」(カポネ氏)
アリゴは昨年11月,テクマトリックスと日本における販売提携を発表している。テクマトリックスが販売するSilverStreamはもちろん,BEA WebLogicやIBM WebSphereといったJ2EE準拠のアプリケーションサーバと連携して動作する。
4月には「Aligo M-1 2.0」日本語版の出荷が始まる。
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[浅井英二 ,ITmedia]