NEC,IDFでMcKinleyサーバをデモ

【国内記事】2002.4.16

 4月16日,千葉・浦安の舞浜で開幕した「Intel Developer Forum Spring 2002」は,5社の主要なOEMがデュアルプロセッササーバ向けの「Xeon」とマルチプロセッサ向けの「Xeon MP」を搭載したIAサーバマシンを展示し,Xeonの採用が順調に進んでいることを印象付けた。

 Xeonプロセッサは,ハイパースレディング技術とNetBurstマイクロアーキテクチャを採用した最初のサーバ用プロセッサ。32ビットながらまだまだヘッドルームに余裕がある。

 展示スペースのメインに据えられたのは,こうしたXeonプロセッサを複数搭載したNEC,デルコンピュータ,日本アイ・ビー・エム,日本ヒューレット・パッカード,富士通らのIAサーバマシンだったが,NECが参考出展した「McKinley」搭載サーバの前には,少しばかりかすんでしまったようだ。

 NECが参考出展した「AsAmA」は,現在パイロットリリースの段階にあるIA-64の次期プロセッサ,McKinley(1GHz)を最大で32基搭載できる。IDFの展示フロアでは,HP-UX 11i上で流体解析の「STAR-CD」と衝突解析の「LS-DYNA」をデモしてみせた。

 4つのCPUとメモリを搭載したセルを接続するアーキテクチャを採用しており,最大8区画のパーティショニングもサポートするほか,将来は512CPUまでクラスタ接続できるよう機能拡張される予定。ハイパフォーマンスコンピューティング市場のほか,大規模なデータベースやトランザクションシステムといったエンタープライズ市場も狙うという。

4つのMcKinleyを搭載するセルモジュール。AsAmAはこれを8台きょう体内にスロットインできる

 同社は,Itaniumプロセッサでも,世界に先駆けて16基を搭載した「AzusA」を製品化しており,ヒューレット・パッカードなどへのOEMや研究機関や大学などへの納品で出荷実績を3桁の大台に乗せている。4月9日には,AsAmA上でHP-UX 11i,Windows .Net Limited Edition,および64ビットLinuxが稼動したことを明らかにしていた。

ブレードやInfiniBandをデモした富士通

 富士通は,3Uの高さに最大で20枚のブレードを搭載できるブレードサーバ型の「PRIMERGY」を参考出展した。低電圧版Pentium IIIプロセッサ,メモリ,およびハードディスクが載るブレードを1台のラックに最大で260枚収納できる計算で,低消費電力と高密度を実現できるという。

 また,管理用のサービスプロセッサを搭載した「マネジメントブレード」や,レイヤ2のギガビットスイッチをブレード化した「スイッチブレード」も用意される。

120ミリ×405ミリの基盤に低電圧Pentium III,メモリ,HDDが載る富士通のサーバブレード

 また,富士通プライムソフトテクノロジは,1Uの薄型IAサーバをInfiniBandでクラスタ接続し,NFSよりも高速なデータ転送を実現するDAFS(Direct Access File System)を実装してデモを行った。同社では,アプリケーションを変更せず,高速なファイル共有が実現できるとし,会場では遺伝子検索プログラムであるBLASTをLinuxのクラスタ環境で実行してみせた。

富士通プライムソフトテクノロジはBLASTをInfiniBandのLinuxクラスタで走らせた

[浅井英二 ,ITmedia]