日立とIBMがストレージ分野で戦略的提携,HDD事業の統合も合意

【国内記事】2002.4.17

 日立製作所(日立)とIBMコーポレーションは4月17日,ストレージ分野において包括的な戦略的を結んだことを明らかにした。

 日立の庄山悦彦社長は発表の席で,「ストレージ市場の競争は激化しているが,世界のリーダー,1位でなければ意味はない。今回のIBMとの提携によって,ストレージ分野におけるナンバーワンを目指す」と話している。この提携の背景には,EMC追撃の意図があることは確かだ。「強い分野をより強くしていく」(同氏)

「ストレージのナンバーワンを目指す」とした日立・庄山社長

 ただ,先に米EMCが日立ならびに日立データシステムズを特許侵害で提訴した件については,「訴状を受け取ったばかりで,まだ何ともいえない。それに,これは今回の提携の件とは直接には関係ないこと」(庄山氏)という。

 日本IBMの大歳卓麻社長は,同様にストレージ分野における成長に期待を寄せながらも「今回の提携は,極めて広範な,ストレージシステム全体にわたるもの。オープンスタンダードをベースに,オープンな開発を進めていくことにこそメリットがある」と協調。その結果として,価格競争力があり,品質の高い製品を顧客に提供できるとした。

 今回の提携は,ともにストレージ分野の有力プレーヤーである両社が協力することで,最先端のストレージ技術と製品をスピーディーに市場へ投入していくのが狙いだ。両社は,これまでもサーバ分野で共同開発・生産分担を行ってきたが,今回の合意では次世代のストレージソリューション分野までその関係を拡大する。

 具体的な協力分野は2つある。

 1つはRAID(Redundant Array of Independent Disks)システム。特に,複数のRAIDシステムを,仮想的に統合された1つのシステムとして利用するバーチャリゼーション機能について,IBMの技術に基づいて共同開発を行っていくとしている。

 同時に日立とIBMは,マルチベンダー環境下における相互接続性の向上やオープン化を一緒に推進していくとし,より効率良くストレージを管理するための標準基盤であるCIM(Common Information Model)を共同で開発するという。

「IBMと日立は共同で,共通のパーツ,共通の機能をベースとした新しいテクノロジを実現していく。その具体的な例が,ソフトウェア分野におけるバーチャリゼーション機能だ。その結果として,顧客によりよい選択肢を提供できるようにする」と,来日した米IBMコーポレーションのストレージ製品部門ジェネラル・マネジャー,ウォルター・レイズナー氏はコメントした。

 もう1つはHDD事業分野だ。両社の従業員,設備,知的財産を含めたHDD事業部門を統合し,新会社を設立する。新会社の設立当初の出資比率は,日立が70%,IBMが30%で,両社から役員を派遣し,新会社の本社をカリフォルニア州サンノゼに置くことまでは決定済みだ。ただ,資本金や社員数などは現在検討中。CEO(経営最高責任者)は日立側から派遣される見込みだが,これも人選の最中という。

関連リンク

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[ ITmedia]