エンタープライズ:トピックス 2002年5月20日更新

Interview:「さらに強力な“ティブコ”ブランドを確立する」とティブコのAP社長

ティブコソフトウェアは5月15日〜17日の3日間,カリフォルニア州サンフランシスコでロイターとの共同による第11回目の年次カンファレンス「Strategic Directions 2002」を開催した。同会場で,アジア太平洋地域の今後のビジネス展開について,米ティブコソフトウェアのアジア太平洋地域担当社長,ロン・ゴウ氏に話を聞いた。

アジア太平洋地域担当社長,ロン・ゴウ氏

ZDNet アジア太平洋地域のビジネスの現状について聞かせてください。

ゴウ 現在,組織変更を行い,アジア太平洋地域でビジネスを本格化させるための新たな体制が整ったところです。この6カ月間に大きな変化がありました。まずは,アジア太平洋地域の顧客の間でも「ティブコ」ブランドが認知されはじめ,われわれの提供するソリューションについて理解してもらえるようになりました。

 これにより,インテグレーションソリューションの選択肢の1つとしてわれわれの製品が注目されるようになってきました。このような状況は,アジア太平洋地でのわれわれのビジネスを,徐々に大きく成長させています。

ZDNet アジア太平洋地域でのビジネスは,ティブコ全体のどれくらいを占めるのですか。

ゴウ 全体の12〜13%くらいです。そのなかで日本市場の占める割合は,50%くらいになると思います。

ZDNet アジア太平洋地域で12〜13%というのは,ほかの企業に比べ控えめな数字のような気がしますが。

ゴウ 割合的には,少ないかもしれませんが,パーセンテージだけで他社と比べても意味はありません。われわれの12〜13%という売り上げを金額ベースにした場合には,他社の20%より多いこともあるからです。しかし,われわれは,製品を市場に投入するのが少し遅かったということは,反省点としてあると思います。

 ただ,EAIの市場は,今後もますます拡大が予想されていますので,ここ2〜3年の内には25〜30%にまで拡大させることも不可能ではないと思います。

ZDNet アジア太平洋地域では,どのようなビジネスに注目が集まっているのでしょう。

ゴウ 特に,EAIの分野です。日本企業の多くは,われわれの技術を早くから導入し,テストをしてくれています。日本では,メインフレームをはじめ,多くのシステムが利用されているために,システムの統合は大きな課題の1つになっているのです。

 また日本企業は,引き続きグローバルなビジネス展開を継続しています。ビジネス環境が急速に変化していく現在,競合他社よりも優位にビジネスを展開していくためには,柔軟に拡張可能なシステムの実現は不可欠であり,これからもインテグレーション市場は大きく拡大していくと思います。

ZDNet 日本市場向けに特別な戦略を考えていますか。

ゴウ 戦略的なパートナーシップがうまく遂行されているかを確認していくことを考えています。また,社内外やパートナー間における教育システの確立も行っていく予定です。後は,やはり企業としての「ティブコ」ブランドをより強力なものに育てていくためのさまざまな展開を行っていく計画です。

 このような活動により日本市場を,名実ともに米国市場に次ぐ第2位の市場にしたいと思っています。

ZDNet アジア太平洋地域と欧米でビジネスの違いはありますか。

ゴウ 基本的にはありません。例えばローカライズの問題や経済的な格差,政治的な問題,文化の違いなどにより考慮しなければならない点も幾つかありますが,基本的には同じです。

ZDNet 今回,Strategic Directions 2002で発表された内容は,アジア太平洋地域のビジネスにどのように組み込まれていきますか。

ゴウ Strategic Directions 2002で発表される内容は,アジア太平洋地域にとっても前向きなものが多いので,今後のビジネス戦略にも大きく関わってくると思います。例えば,EAIやWebサービスのソリューションや方向性,業種別のソリューションなど,新しく発表された情報が今後,数多くアジア太平洋地域でもサポートされていくでしょう。

関連リンク

▼日本ティブコソフトウエア

[山下竜大 ,ITmedia]