エンタープライズ:トピックス 2002年5月23日更新

Windows NT 4.0/2000にセキュリティホール,速やかにパッチの適用を

 マイクロソフトは5月23日,同社製品にセキュリティ上の問題(MS02-024)が存在することを明らかにした。今回のセキュリティホールはInternet Explorerではなく,Windows NT/2000プラットフォームに影響を及ぼすものだ。

 同社が公開した情報によると,MS02-024が影響するのはWindows NT 4.0/NT 4.0 Server,Terminal Server EditionおよびWindows 2000。これらのプラットフォームが備えているデバッグ機能,「Windows Debugger」を利用する際の認証方法に問題がある。

 この問題を悪用すれば,ターゲットとなるマシンに不正なプログラムを送り込み,それを通じてWindows Debuggerのアクセス権限,すなわち管理者と同等の権限を取得できる可能性がある。

 つまり,攻撃者がNT 4.0/2000のマシンを事実上乗っ取り,データの削除やアカウントの追加,ディスクのフォーマットや設定の変更,システムの再構成など,あらゆる操作を実行できてしまう可能性がある。非常に深刻なセキュリティホールと言え,マイクロソフトでも,MS02-024の深刻度を最大で「高」とランクしている。

 対策は,パッチの適用だ。同社Webサイトで各プラットフォームごとにパッチが提供されている。ただしWindows NT 4.0/Terminal Server EditionではService Pack 6を,Windows 2000ではService Pack 1もしくは2を適用しておく必要がある。

 マイクロソフトによれば,MS02-024は,いわゆる対話的ログオンでのみ悪用が可能な問題で,しかもあらかじめユーザーのアカウントとパスワードを知らない限り攻撃はできないという。だが同社はこれに関連して,パスワードの強度・管理を再度確認し,安全な――第三者による予測が難しく,適度な長さを持ち,記号などを織り込んだ――パスワードを用いるよう推奨している。

関連リンク

▼マイクロソフト:「MS02-024: Windows Debuggerの認証エラーにより、アクセス権が昇格する」(概要)

▼マイクロソフト:「Windows Debuggerの認証問題により、アクセス権が昇格する(Q320206)(MS02-024)」(詳細情報)

▼米マイクロソフト:「MS02-024: Authentication Flaw in Windows Debugger can Lead to Elevated Privileges(Q320206)」(英文)

[ ITmedia]