エンタープライズ:トピックス 2002年6月18日更新

Itanium 2に賭けるインテルの取り組み

 インテルは、サーバ向けプロセッサ市場でItanium 2がスムーズに受け入れられるようにする一つの手段として、Itanium 2に完全対応するサーバやコンポーネントを製造する。

Special to ZDNet News

 インテルの代理人によれば、近くリリースされる予定の製品ファミリー「Tiger」(コードネーム)は、マザーボード、チップセット、きょう体、4プロセッサのItanium 2を搭載したサーバ製品という。

 インテルは、これらの製品を一般市場ではなくコンピュータメーカーに売り込む。コンピュータメーカーはそれを自社ブランド製品として販売する。Tigerファミリーは、2002年の第2四半期に登場する予定だ。以前はコードネームでMcKinleyと呼ばれていたItanium 2は、7月に登場する予定となっている。

 インテルは、収入のほとんどをチップの販売で得ているが、しっかりとマザーボード市場やチップセット、実例を挙げると、コンピュータデザインなどの分野にも拡大している。

 ヒューレット・パッカードとIBMは両社とも、例えば、もともとインテルによって設計された製品を、テレコム市場において、それぞれ自社ブランドの製品として販売するなどしている。

 メーカー各社は、単なるチップやほかのコンポーネントを選択するのではなく、シャーシや完成品のサーバを買うことにより、サーバ新製品を市場に投入するために必要となるエンジニアの手間を劇的に減らすことができる。結果的に、それがコストを削減し、開発期間の短縮にもつながるのだ。

「われわれの(サーバ)製品の多くは、各地域でリーダーになる」と話すのは、インテルのマーケティングディレクトターのフィル・ブレイス氏。

 ロシアのサーバメーカーであるクラフトウェイや、中国の巨大企業であるレジェンドホールディングスの両社は、完全なインテルサーバを購入し、それをそれぞれの地域市場に合わせて調節していると、同氏は加えた。

 Itanium 2が市場でよりスムーズに受け入れられるようにすることは、カリフォルニア州サンタクララのインテルにとって、一番の強迫観念になっている。

 Itanium 2は、サーバ市場に浸透し、サン・マイクロシステムズとIBMのUNIXハイエンドマシンと直に競合することになる。

 4プロセッサのItanium 2システムは、およそ2万から7万2000ドルの間で売られている。

 インテルはサーバ市場のだれよりも多くのチップを売っている。しかし、それらのチップのほとんどは、1000ドル未満で売られるような比較的高価ではない、1あるいは2プロセッサマシンが上限になっている。

 しかしながら、最初のItaniumプロセッサは、商用ベースにはならなかった。製品のリリースが何度も延期されたために、売る側のコンピュータメーカーと買う側の企業顧客の間を取り持つ者がほとんどいない状態だったのだ。

 エグゼクティブやアナリストによると、パフォーマンスもそれほどよくなく、ソフトウェアも不足、経済の低迷もItaniumを苦しめた。しかしながら、インテルもほかの企業も、Itanium 2は違うと主張している。インテルによると、Itanium 2はItaniumの2倍のパフォーマンスがある。IBMやヒューレット・パッカード(HP)、NEC、そのほかのメーカーもまた、サーバやチップセットなどItanium 2向けの技術開発には多額の投資を行ってきた。

 Itanium 2が登場する時期になると、非常にたくさんのOSやデータべース製品が姿を現すことになる。同社はまた、Itanium 2向けに製品を調整できるように、世界中に広がるインテルのオフィスを通じて、サードパーティーのディベロッパーやハードウェアメーカーとも協力してきた。

「われわれはIA-64(Itaniumアーキテクチャーの名前)ツール実現に向けた道のりで、うまくやっている」とインテルのエンタープライズ・プラットフォームグループ担当シニアバイスプレジデント、マイク・フィスター氏は話す。

 Itanium 2がリリースされた場合1GHzで動作し、2タイプが用意されるだろう。1つはレベル3キャッシュメモリが1.5Mバイトとなる。すばやくアクセスする必要があるデータを格納するキャッシュはプロセッサに統合される。Itanium 2の、より高価なバージョンでは3Mバイトのキャッシュを持つことになる。

 1.5Mバイトおよび3Mバイトのチップは、実際には同じモノに見えるだろう。高価でないバージョンでは、キャッシュの半分だけが活用されることになる。将来的に、インテルは1.5Mバイトのチップでは、サイズを縮小し、製造コストを抑えるために、使われていないキャッシュ領域を削るかもしれない。

[Michael Kanellos ,Special to ZDNet News]