エンタープライズ:ニュース | 2002/07/04 19:38:00 更新 |
「使っただけ払う」Linuxバーチャルサービス開始
ニューヨーク州アーモンクのIBMは米国時間の7月1日、企業がインターネットを介して大規模なコンピュータインフラにオン・デマンドでアクセスできるようにする業界初のサービスを発表した。IBM zSeriesメインフレームの能力や信頼性を、まるで蛇口をひねると水が出てくるような感覚で企業顧客が利用できるようにするものだ。
ニューヨーク州アーモンクのIBMは米国時間の7月1日、企業がインターネットを介して大規模なコンピュータインフラにオン・デマンドでアクセスできるようにする業界初のサービスを発表した。IBM zSeriesメインフレームの能力や信頼性を、まるで蛇口をひねると水が出てくるような感覚で企業顧客が利用できるようにするものだ。
この新しいe-businessオン・デマンド・サービス「Linux Virtual Services」は、顧客のLinux対応アプリケーションとIBMのe-businessホスティングセンターを接続し、サーバ処理やストレージおよびネットワーキング機能をオン・デマンドで提供する。顧客は、実際にWebサーバ、データベースサーバ、アプリケーションサーバなどを導入しなくとも、安全なホスティング環境にあるLinux搭載のメインフレーム、eServer zSeries上で「仮想サーバ」機能を利用し、必要な演算能力や容量に対して対価を支払う仕組みだ。
同社では、今回の新サービスが、分散サーバのワークロード統合を図る企業顧客にとって理想的なものだとしている。
米国最大級の高齢者向け公的医療保険会社であるウィスコンシン・フィジシャンズ・サービス・インシュアランス(WPS:ウィスコンシン州マディソン)は最近、分散配置されたLinuxサーバ群の電子メール、WebおよびディレクトリアプリケーションをLinux搭載のzSeriesに統合したほか、2002年度第3四半期にzSeries Linux環境で25台のサーバを稼動することを計画している。
WPSのエンタープライズ・ネットワーク・システムズ担当ディレクター、ジム・フワン氏は「IBM eServerとLinuxにより、WPSは20数台のIAサーバを単一のメインフレーム上に統合できた。IBMのLinux Virtual Servicesの導入はこの能力をさらに次のレベルに引き上げ、ビジネスニーズに応じて演算能力を増強する柔軟性を提供してくれる」と話している。
IBMでは、仮想サーバの追加配備は数分以内で済むとしている。また、ApacheベースのLinux Webサーバ、DB2、Websphereなど、すぐに使えるサーバプラットフォームを選択することもできるという。
IBMのe-businessホスティングサービス担当ゼネラルマネジャー、ジム・コーゲル氏は、「IBMの技術によって、仮想的でありながら、弾力性のあるインフラを構築することにより、顧客らはワークロードを統合し、物理的なサーバの管理作業から自らを解放することができる」と話す。
なお、Linuxプラットフォームを導入していない顧客企業には、Linux環境へのアプリケーション移植サービスも用意しているという。
関連リンクIBM e-businessオン・デマンド・サービス
[ITmedia]