エンタープライズ:ニュース 2002/07/04 12:15:00 更新


次のチャレンジは「オプティカルとデータの統合」

北米では、NetWorld+InteropよりもSuperCommの常連となっているシエナだが、同社は今年、NetWorld+Interop 2002 Tokyo(N+I 2002 Tokyo)にブースを設置した。既に日本テレコムやKDDI、イー・アクセスなどの顧客を獲得してきた同社だが、ダークファイバの開放を追い風に、日本市場へ積極的に取り組んでいくという。

 北米では、NetWorld+InteropよりもSuperCommの常連となっているシエナだが、同社は今年、NetWorld+Interop 2002 Tokyo(N+I 2002 Tokyo)にブースを設置した。

 既に日本テレコムやKDDI、イー・アクセスなどの顧客を獲得してきた同社だが、ダークファイバの開放を追い風に、日本市場へ積極的に取り組んでいくと、同社日本法人社長に就任した平野剛氏は語っている。

 また、N+I 2002 Tokyoに合わせて来日した、シエナのアジア太平洋地域担当プロダクトマーケティングディレクター、アヌプ・チャンガース氏は、「オプティカル(光)技術に100%フォーカスしている点で、われわれは他に類を見ないユニークな企業だ」と述べた。

 同社は1996年、業界初のDWDM(高密度波長分割多重)製品を市場に投入。その後もライテラ、サイラスの買収を通じて、オプティカルスイッチをはじめとする製品ラインナップを拡充してきた。さらに今年2月には、メトロ向けオプティカル製品を提供してきたONIシステムズの合併を発表している。

「ONIシステムズの買収によって、われわれはCWDM製品をポートフォリオに加え、ネットエッジやエンタープライズに近づいた。CWDM製品は、DWDMに比べてコスト効果が高く、エンタープライズのニーズにも合致する」(チャンガース氏)

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どちらかというとSuperCommの常連? シエナのチャンガース氏と平野氏

 ネットバブルの反動で、北米のキャリア業界では冷え込み傾向が続いている。しかし同氏は、この経済状況が、シエナのビジネスに大きくインパクトを与えることはないと語った。

「確かに北米の多くのキャリアが、ネットワークの供給過剰に陥った。しかしこれは裏返せば、キャリアはもはや、メンテナンスなどの運用に大きくコストを割けないということでもある。その一方で、エンドユーザーやエンタープライズからのデータ需要は、いまだに伸びている」(チャンガース氏)

 さらに同氏は、もはやキャリアは、従来型のインフラには投資しないだろうと述べ、「シエナは、次世代技術の実現、導入コストの削減、運用コストの削減という3つの要素を通じて、顧客を手助けしていく」と語った。

「シエナの製品はすべて、レガシータイプのシステムとの統合が可能だ。既存のインフラの入れ替えを必要とするわけではなく、協調して動作する。キャリアが資産を効率的に生かし、利益を上げられるように手助けする」(同氏)

 平野氏はさらに、「光パスの管理に人手を割く必要がないよう、管理可能なソリューションを提供していく」と語った。

 次なるチャレンジも見えているという。1つは、データネットワークとオプティカルネットワークの統合だ。「今はデータネットワークとオプティカルネットワークがそれぞれに存在しているが、互いが見えず、話をすることもできない状態だ。シエナはオプティカルシグナリングやルーティング技術を持っているが、これらを活用し、この2つをシームレスに統合できるようにしたい」と同氏は語る。

 もう1つは、光クロスコネクトにおけるAOA(All Optimal Arcitecture)だ。一般にはこれは、O-E-O(光-電気-光)からO-O-O(オール光)への移行が進むと予測されているが、同社のAOAは、この2つの方式を組み合わせた技術だという。

 平野氏も、「次のステップ(でニーズが高まるの)は光クロスコネクトスイッチだ。実際この製品は売り上げもいい。これまで提供してきたDWDMのほか、光クロスコネクトや光イーサネット、完全な光スイッチといったオプティカルソリューションを今後も提供していく」と述べている。

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▼シエナとONIシステムズが合併合意

関連リンク
▼NetWorld+Interop 2002 Tokyo オフィシャルサイト
▼米シエナ

[高橋睦美,ITmedia]