エンタープライズ:ニュース 2002/07/05 22:46:00 更新


感染力の強いウイルスへの対策は? 「まずシステムに侵入させないこと」

トレンドマイクロはNetWorld+Inteorp Tokyoの展示会にて、先日発表した新コンセプト「トレンドマイクロ エンタープライズ プロテクション ストラテジー」(TM EPS)を中心とした展示を行った。

 トレンドマイクロはNetWorld+Inteorp Tokyoの展示会にて、先日発表した新コンセプト「トレンドマイクロ エンタープライズ プロテクション ストラテジー」(TM EPS)を中心とした展示を行った。

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同社ブースで紹介された「Trend Micro Control Manager」と「InterScan Messaging Security Suite 5.1」

 これまでウイルス対策ソフトウェアベンダー各社は、新種のウイルスに対するワクチン(パターンファイルや定義ファイル)をいかに早く作成し、顧客に配布するかに力を注いできた。しかし、昨年登場したCode RedやNimdaは、パターンファイルが顧客に行き渡る前に、猛烈なスピードで感染を広め、大きな損害を与えた。

 トレンドマイクロでは、こうした事実を踏まえてTM EPSを発表したという。「1時間以内にパターンファイルを作成しても間に合わないことがある。また、最新のパターンファイルを手に入れようとする顧客が殺到し、サーバが混雑してしまい、入手までに時間がかかってしまうケースもあった。こうした状況を踏まえると、駆除は後で行うとして、まずウイルスをシステムやPCに侵入させないようにすることが大事だ」(同社マーケティング本部、テクニカルマーケティングマネージャーの濱田茂氏)

 もちろん引き続き、ウイルス検出・削除といった部分を提供し、速やかなパターンファイルの作成、配布に努めていくというが、それだけでは補いきれない「事前対策も提供していくのがTM EPSの目的。さらに来年以降には、システムの回復・修復作業をサポートするツールを提供し、ウイルスの発生から収束まで、すべてのフェーズをまとめて管理できるようにしていく」(濱田氏)

 TM EPSの核となるのが、ウイルスの侵入を防ぐためのポリシー配布などを行う「Trend Micro Control Manager」(TMCM)だ。XMLで記述されたポリシーをTMCM経由で配信し、ウイルスが入り込む前に、特定の題名を鍵にメールを削除したり、ポートをブロックしたりといった設定変更を実現する。

 トレンドマイクロでは、これまで「レイヤー」ごとに体系立ててきた製品群を、ポリシーを基準に、新たに3つのカテゴリに再編。TMCMとの連携機能を加えたうえで提供していく。

 このうち最初に提供されるのが、電子メール経由で拡散するウイルスへの対策を実現する「メッセージングセキュリティ製品群」に含まれる「InterScan Messaging Security Suite 5.1」だ。8月よりベータ版が提供される予定となっており、同社ブースでデモンストレーションが行われた。

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関連リンク
▼NetWorld+Interop 2002 Tokyo オフィシャルサイト
▼トレンドマイクロ

[高橋睦美,ITmedia]