エンタープライズ:ニュース 2002/08/02 23:48:00 更新


ウイルス届出、IPA調査でもやはり首位は「Klez」

情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティセンターは8月2日、2002年7月7月のウイルス届け出情報をまとめた。ワースト1位は依然として「Klez」。また、先月発生した「Frethem」とその亜種による被害も拡大した。

 情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティセンターは8月2日、2002年7月のウイルス届け出情報をまとめ、公開した。これによれば、7月のウイルス届出件数は1781件。前月の1965件より引き続き減少傾向を見せた。

 このうちワースト1位は「Klez」で、1074件を占めている。2位には、7月15日に報告された「Frethem」亜種が315件で食い込んだ。IPAでは、Fremthem亜種が報告されてから最初の3日間だけで、200件を超える報告が寄せられたことに触れ、その感染力の強さを警告している。Frethemはまた実害率も、22.9%と高水準だった。

 IPAではこの理由として、ウイルス対策ソフトウェアが対応するよりも速くFrethemが広まったこと、またユーザーの多いメーリングリスト宛てにFrethemが添付されたメールが送信されたことを挙げている。

 ちなみにこの日、トレンドマイクロと日本ネットワークアソシエイツも、7月のウイルス被害報告・問い合わせ状況をまとめている。いずれも同様に、ワースト1位はKlez、2位がFrethemだ。

 IPAおよび各社の情報をまとめると、必要な対策は大きく2つある。1つは、不用意に添付ファイルを実行しないことだ。たとえ知り合いから届いた(ように見える)メールであっても、そのファイル名や本文が不審なものではないか確認する必要があるだろう。

 もう1つは、Internet Explorer(IE)のパッチを適用することである。FrethemもKlezも、また依然として報告件数上位に上がっているNimdaやBadtransも、既知のIEのセキュリティホールを悪用して感染を広めている。特にOutlook/Outlook Expressを利用している場合は、プレビューしただけで添付ファイルが実行されてしまう可能性がある。改めてパッチを適用するか、別のメーラーを利用するなどの対策を考えるべきだろう。

 なおIPAは同日、7月の不正アクセスの届出状況も公表している。これによると、届出件数は先月とほぼ同程度の45件。うち4件は、IIS(Internet Information Server)およびApacheの既知の脆弱性を付いたものという。サーバについてはクライアントPC以上に、速やかなパッチの適用と適切なバージョンアップが求められる。

関連リンク
▼IPAセキュリティセンター
▼トレンドマイクロ
▼日本ネットワークアソシエイツ

[ITmedia]