エンタープライズ:ニュース 2002/08/19 20:06:00 更新


サンのLinux旋風、東京にも上陸

サン・マイクロシステムズは、LinuxおよびSolarisに対応する新しいエントリーサーバ「Sun LX50」を発表した。ハイエンドで高いシェアを誇る同社が、x86系のプロセッサを利用してエントリーモデルの製品ラインアップを強化する。

 サン・マイクロシステムズは8月19日、LinuxおよびSolarisに対応する新しいエントリーサーバ「Sun LX50」を発表した。同製品は、Pentium III/1.4GHzというx86系プロセッサを2個搭載できるデュアルモデル。PCや携帯電話などからWebへアクセスする際のフロントエンドとなる新世代のエッジコンピューティング向けサーバとしてターゲットを絞り、Webサーバやファイアウォール、VPN、電子メールなどへの利用が想定されている。

 来日した同社マーケティング/ビジネス開発担当のマーク・トリバー執行副社長は、「サンは64ビット市場は独占している。32ビットのエントリーサーバ市場も強化し、ハイエンドまで一貫して製品を提供していく」と話す。また、Sun ONEを実現するためにも、x86による低価格なサーバが必要だったという。

 LX50はOSとして、「Sun Linux 5.0」がプリインストールされたモデルと、「Solaris 8 Intel Platform edition」をバンドルしたモデルが用意される。同社では、Sun Linuxによってこれまでカバーできていなかった市場にも進出できるとしている。また、オープンソースコミュニティーの力も積極的に利用していくことにも触れた。

 同社は既にx86系プロセッサを搭載したCobaltシリーズをリリースしていた。しかし、Cobaltシリーズはアプライアンスサーバとして単機能に特化し、Linuxカーネルが隠蔽される傾向があり、メールサーバなどシステムを作り込む場合などにはそれが障害になっていたという。そこで、LX50では、RedHat 7.2をあまりいじらずに、汎用性を重視する設計を行った。LX50に対応したソリューションを提供するパートナーとして、この日は29社のISV/IHVが紹介されている。

 同社のコバルト/Linux製品事業本部長で、サンが買収する以前の元コバルトネットワークス代表取締役だった北島弘氏は、「ハードウェア、OS、アプリケーションがそれぞれ異なるベンダーから提供されることによる不都合からユーザーを開放したい」と話す。同社は、Linux OSをプリインストールすることによって、OSについても同社が顧客にコミットメントを示すことができるとし、システム提供のワンストップサービスを目指すことを強調した。

 Sun Linux 5.0は、レッドハットのRedHat 7.2をベースにサンのハードウェアに最適化されている。同社は、ドライバの強化やパフォーマンスチューニングなども行うことで、ハードウェアとソフトウェアの両面からユーザーをサポートできるようになる。なお、同社はLinux OSとしてCobaltを第4世代までリリースしていたため、今回はSun Linux 5.0というネーミングになったとしている。

 一方、Solaris 8 Intel Platform editionは、「低価格のx86マシンで既存のSolarisと互換性を持つ環境を提供する」という。既にSPARCプロセッサ版が提供されているSolaris 9も今後、x86に対応させていく予定。

 なお、Sun LX50にインストールされている主なソフトウェアは、Java 2SDK Standard Edition、Sun ONE ASP for Linux、TomCat、MySQL、Apache、WU-FTPD、Sendmail、Bind、Sun Grid Engine、Sun Streaming Serverなど。また、膨大なサーバ数にも対応できるように、導入や状態監視などの管理を行うシステム「Sun Control Station」の機能も改善したとしている。

 価格は、1CPU、512Mバイトメモリ、36GバイトSCSIディスク、10/100baseTX Ethernet ×2、64ビット/66MHz PCIスロット×2、Sun Linux 5.0プリインストールまたはSolaris 8 2/02Intel Platform Editionバンドルのモデルが、41万9000円となっている。 Sun Linuxプリインストールモデルは9月上旬、Solaris 8 Intel Platform Editonバンドルモデルは10月上旬の出荷を予定している。

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▼サン・マイクロシステムズ

[怒賀新也,ITmedia]