エンタープライズ:ニュース 2002/09/04 21:58:00 更新


インテル、通信分野向けプロセッサ2製品を発表

インテルは通信分野向けのプロセッサ2製品をリリースした。低消費電力性の向上に力を入れたブレード向けの仕様だ。同社は、フォワーディング、ユーザー、コントロール、サービス、アプリケーションの全ての階層を通じて製品を提供することになる。

インテルは9月4日、通信分野向けのプロセッサ2製品を同日から発売することを明らかにした。発表されたのは、「低電圧版 Xeonアプリケーション/サービスプロセッサ」と「IXC1100 コントロールプレーンプロセッサ」の両製品。いずれもブレードとしての利用向けに設計されており、低消費電力性が追究されている。

 通信システムでは処理の仕組みに階層化がどの「フォワーディング」、音声やメディア、暗号化、コンテンツ処理などを行う「ユーザー」(インテルのXScaleが該当)、IPルーティングやシグナリング・プロトコルなどを行う「コントロール」、メディアリソース管理やロードバランシング、セキュリティサービスなどの「サービス」、モーバイル管理やセッション管理などの「アプリケーション」という階層構造だ。

 インテルの製品で言えば、フォワーディングやユーザーなどの下層にはXScaleベースのNPU、サービスやアプリケーションなどの上層には組み込み型IAプロセッサがラインアップされている。そして、この日投入されたIXC1100は、同社初のコントロールプレーンプロセッサとなる。また、低電圧版 Xeonアプリケーション/サービスプロセッサは文字通り、会計処理や請求処理といったアプリケーションやサービス階層の処理を行うように設計されたブレード向けプロセッサとなっている。

 低電圧版 Xeonアプリケーション/サービスプロセッサの特徴は、1.6GHz動作時30W未満という低消費電力性。ちなみに従来の製品は60Wを越えていたという。同プロセッサは、デュアル構成でのハイバースレディングを搭載しており、仮想的にCPUを4台にできる。

 同社はこのプロセッサについて、「(低密度である)ブレードに実装するためのギリギリの仕様」としている。デュアルプロセッサで60W(30W×2)、周辺機器向けに20Wとして「計80Wは熱すぎないか?」、という指摘もあったが、これについて同社は、「3Uでは確かにきついかもしれないが、最大で7Uほどの構成にすることができるので問題ない」と応じた。ATCAなど高性能なブレードでの使用に最適化しているという。

 一方、もう1つの新製品であるIXC1100は、ネットワークプラットフォームにおいてトラフィック接続や終端点として機能するラインカード向けに、制御および管理タスクを低消費電力で効率的に処理するように設計されている。消費電力は533MHz動作時に最大2.4W。フォワーディングやユーザーなどの下層レイヤーを制御する同社のネットワークプロセッサをコントロール層から補完するものだ。ネットワークプロセッサと同様に、XScaleコアを搭載しているため、同じツールを使ってソフトウェアやハードウェアを設計できるという。同製品は当初、基地局制御装置や無線ネットワーク制御装置といったワイヤレスインフラやマルチサービススイッチ向けに提供されるという。

 低電圧版 Xeonアプリケーション/サービスプロセッサの千個受注時の価格は4万1000円、IXC1100は7000円となっている。

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[怒賀新也,ITmedia]