エンタープライズ:ニュース 2002/09/05 20:18:00 更新


Sniffer Voiceに新バージョン、さらなる拡張の方向性は?

日本ネットワークアソシエイツでは、従来「アナライザ」というイメージが強かったSnifferシリーズを拡張し、統合的なネットワーク運用管理ツールとして展開を図っている。つい先日には新製品2種類が発表された。

 日本ネットワークアソシエイツは9月4日、ネットワーク統合運用管理ツール「Sniffer」シリーズの新製品を発表した。

 1つは、VoIPなどの音声データを分析、管理する「Sniffer Voice」の新バージョン。H.323やRTP、SIP、MGCPといったVoIPプロトコルのデコード機能を備えており、VoIP通信のジッダやドロップ率などの問題点を把握、トラブルシューティングにつなげることができる。

 元々は1年以上前から提供されてきた製品だが、新バージョンでは、これまで対応してきた「Sniffer Portable」に加え、分散型アーキテクチャをベースとした「SnifferDistributed」をサポートし、トポロジを問わず柔軟に利用できるようになった。また、VoIPの品質維持を支援するため、レポート機能も強化されている。

 ブロードバンド接続の普及を受けてか、「最近では、VoIPネットワークの構築事例も増えてきている」と、日本ネットワークアソシエイツSniffer事業部のシニアエンジニアを務める浅野百絵果氏は述べている。そうした傾向を背景に、WAN回線におけるVoIPトラフィックの比率や輻輳時の状況を把握し、最適化されたVoIPネットワークを構築したいというニーズが高まっているという。

 なお新バージョンのうち、「Sniffer Portable対応版では、無線LAN環境に対応するため、VoWLAN(Voice over Wireless)の解析もサポートしており、プラットフォームを大きく拡大している」(同氏)と言う。

 価格は、「Sniffer Voice for Sniffer Distributed 2.1E(英語版)」「Sniffer Voice for Sniffer Portable 2.1E(英語版)」のライセンスが、ともに65万7000円。バージョンアップ価格も用意されている。

携帯電話キャリア向けの製品も

 もう1つの製品は、携帯電話キャリアをターゲットとしたネットワーク管理製品、「Sniffer Mobile for Sniffer Distributed 1.0E(英語版)」だ。

 同製品は、GPRSやCDMA-2000、W-CDMAといった第3世代携帯電話サービスを支えるコアネットワークのテストや運用管理を行うためのツール。コアネットワークにおけるネットワーク遅延やパケットドロップ、パフォーマンスなどのモニタリングと解析を行い、サービス品質の向上を支援する。またIPv6やMobile IP、GTP(GPRS Tunneling Protocol)といった、今後鍵となる技術についてもサポートしている。

 浅野氏の説明によると、製品そのものは英語版だが、国内大手携帯電話キャリアの要件に合わせた仕様となっており、実際にベータテストも行われてきたという。

 Sniffer MobileはSniffer Distributed 4.2のアドオンとして提供される。ライセンス価格は165万円。

 なお同社では今後も、Snifferの機能強化を続け、音声の解析やセキュリティなどさまざまな要素を網羅したツールへと拡張していく計画だ。これにより、単なる“アナライザ”から脱却し、ネットワーク統合管理を実現するソリューションとして展開していく方針である。

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▼日本ネットワークアソシエイツ

[ITmedia]