エンタープライズ:ニュース 2002/09/09 13:03:00 更新


HP/コンパックが2CPUのブレード発表、いよいよメインストリームへ

コンパックがこれまでのブレードの概念を変えるパワフルなブレードサーバを発表した。Pentium III 1.4GHzを2基搭載できるほか、最大メモリ容量も4Gバイトまで拡張されている。将来は、4CPUモデルも登場し、1CPUから4CPUまでフルライン化する計画。新生HPは、ブレードを次のメインストリームに押し上げる。

 コンパックコンピュータは9月9日、ProLiantサーバのブレード製品、ProLiant BLシリーズにPentium III 1.4GHzを2基搭載できる「p-Class」を追加した。2月に発表した1CPUのe-Classが高密度と省電力を追求しているのに対して、p-Classは、エンクロージャーの高さが6U(約26.7センチ)となるものの、パフォーマンスと可用性を必要とする動的なWebサーバやメッセージングサーバまでカバーする。

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高さ6Uのエンクロージャーに8枚収まるBL20p。ブレードはバックプレーンで接続されるほか、電源も供給される

 7月下旬、ヒューレット・パッカード(HP)とコンパックは、新生HPにおけるIA-32サーバの新ブランドが、一部のローエンド製品などを除き、「hp ProLiant」に統一されることを明らかにした。約10年前に登場し、IAサーバの標準を確立したコンパックのProLiantは、そのロードマップが新生HPでも継続されることになっている。

 ProLiant BL p-Classは、幅広い用途を狙ってデザインされた。これまでのブレードサーバの多くが1CPUだったが、p-Classは、ラックマウント型のように、より多くのCPUを搭載できるほか、最大メモリ容量も4Gバイトに拡張されている。今回発表された「BL20p」は2CPUモデルだが、将来は4CPUモデルも登場し、データベースやメッセージングサーバを稼動させる高い性能を発揮するなど、従来のブレードサーバの概念を変えそうだ。

 また、耐障害性のある電源システム、ホットプラグ対応のHDD、冗長性を持たせたネットワークインタフェースカード、およびRAIDの搭載により、サーバの可用性も高めている。

「コンパックは、ラックマウント型のIAサーバでも他社に先駆け、業界標準として確立した」と話すのは、コンパックでIAサーバのマーケティングを担当する香取明宏部長。

 ラックマウント型はIAサーバにおいてもはやメインストリームといっていい。コンパックのラックマウント製品ではあるProLiant DLを例にとっても、IAサーバ製品全体に占める比率が、ローエンドでも30%、ミッドレンジでは50%に達するという。

「コンパックではブレードが次のメインストリームになると考えている。1CPUから4CPUまでフルラインでそろえられるのが新生HPのブレードだ」(香取氏)

 ほかのProLiantサーバと同様、「ProLiant Essentials」と呼ばれるサーバ管理ツール群が用意される。一度に複数台のブレードを配備する際に便利なRapid Deploymentパックや、運用管理のInsightマネージャ7などだ。

 遠隔地からの操作やオン/オフが可能な「内蔵Lights-Out」機能を搭載しているのはもちろん、それ自体がp-Class向けに拡張されており、仮想リモートコントロール機能がWebブラウザベースのGUIになったほか、仮想フロッピードライブ機能も追加されている。

 また、Insightマネージャ7も、ラック単位で各ブレードの稼動状況を視覚的に確認できるよう機能強化されている。

 ProLiant BL20pの価格は、Pentium III 1.4GHz×1基、512Mバイトメモリ、ホットプラグ対応のHDDベイを2つ備え、50万円。また、Pentium III 1.4GHz×2基、1Gバイトメモリのモデルは70万円となっている。

 また、エンクロージャーが48万円、Rapid Deploymentパック(8サーバライセンス)が付属するエンクロージャーも60万円で用意される。ブレードとエンクロージャー外部を接続する「インターコネクト」が28万円から、200V用12000VAのラックマウント型「UPS R12000 XR」は220万円、SSLアクセラレータ「AXL600LアクセラレータPCIカード」は22万円。出荷は10月上旬から順次、開始される。

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[浅井英二,ITmedia]