エンタープライズ:ニュース 2002/09/10 20:31:00 更新


RSA、セキュアWebコンピューティング強化の新戦略を発表

RSAセキュリティは、Webサービスにおけるユーザー認証とアクセス管理市場への本格的参入宣言ともいえる新戦略を発表した。その第一弾としてアクセス管理ソフトの日本語版を第4四半期に発売するという。

 RSAセキュリティは10日、都内で記者発表会を開催し、セキュアWebコンピューティングを強化する新戦略「Trusted Identity & Access Management」(信頼あるアイデンティティおよびアクセス管理)戦略を発表した。新戦略に基づく製品の第一弾としてWebアクセス管理ソフト「RSA ClearTrust」(日本語版)を第4四半期に出荷する。

 現在、企業ポータル(EIP)やB2B、B2Cデ展開されているWebサービスにおいては、サービスごとにそれぞれアクセス管理が行われており、ウェブサイトごとに別々の認証が必要な状況にある。今後、より多くのアプリケーションがWebベースに移行すると考えられるが、RSAの新戦略はこれらWebサービスのユーザー認証やアクセス管理を、シームレスに結びつけ、安全勝つ信頼のおけるWebコンピューティングを確立しようとするもの。

 RSAはこれまで「Liberty Alliance Project」に設立メンバーとして参画し、アイデンティティ管理のオープンな標準策定に注力している。しかし、Liberty Alliance Projectのみにこだわることなく、「“SAML”“.NET”も含めて積極的にかかわり、標準化作業を推進していく。これらは排他的なものではない」(米RSAセキュリティのアート・コビエロ社長兼CEO)としており、広く中立的な立場でセキュアWebコンピューティング普及のための技術インフラストラクチャー作りに関わっていくという姿勢を見せた。

 本日発表した「RSA ClearTrust」は、RSAの新戦略に基づくWebアクセス管理ソフト。Webページだけでなく、CGI、ディレクトリ、画像ファイルなど、単一ページにある複数のデータに対してそれぞれアクセス権を設定できるなど、きめ細かなアクセス管理が可能。アプリケーションサーバとして「WebLogic」「WebSphere」「SunONE」をサポート、ユーザー認証システムも任意のものを利用できるオープンAPIを採用した。

 RSAセキュリティの山野修代表取締役社長によれば、企業におけるITシステムがクライアント/サーバ型からWebコンピューティングへシフトしつつあることを受けて、Webアクセス管理市場は年率70%と、セキュリティ市場の中でも急激な伸びを示しているという。「いまユーザーがアクセス管理システムに希望しているのはシングルサインオンのみだが、今後は多種多様なコンテンツを統合的に扱えることを希望するはず。それら機能をRSA ClearTrustによって提供する」としている。

 ClearTrustは米国ではすでにバージョン4.71を出荷済みで、数百の企業で採用実績があるという。第4四半期に出荷予定の日本語版は、現在開発中のバージョン5になる。バージョン4.71ではまだ提供していない、Liberty Alliance仕様1.0をオプションとして提供する予定という。

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[ITmedia]