エンタープライズ:ニュース 2002/09/20 18:38:00 更新


ウイルス対策、SMTPだけでなくHTTPの検査も必要に?

トレンドマイクロは9月19日、Webアクセスに起因するセキュリティ侵害から企業ネットワークを守るためのソフトウェア製品、「InterScan WebProtect 1.0 for ICAP」と「InterScan WebManager 2.1」を発表した。

 トレンドマイクロは9月19日、Webアクセスに起因するセキュリティ侵害から企業ネットワークを守るためのソフトウェア製品、2種類を発表した。

 1つは、Webサイトの閲覧によって感染を広めるウイルスをブロックする、「InterScan WebProtect 1.0 for ICAP」(ISWP ICAP)だ。電子メール(SMTP/POP)経由で広がるウイルスや情報漏洩を防ぐ、メールゲートウェイタイプのウイルス対策製品は幾つか存在するが、ISWP ICAPはその機能をHTTPおよびHTTP over FTPに関して実現するもの。同社はこれを「Webゲートウェイでのウイルス対策製品」と表現している。

 昨年、複数の経路を経由して感染を広めたNimdaウイルスが大きな被害を与えたことは記憶に新しい。この感染経路は電子メールによるものが多かったが、意外にも、52パーセントはWeb閲覧によって感染したという。さらに、Webメールの普及といった背景もあり、Webゲートウェイにおけるウイルス対策へのニーズが高まっているという。ISWP ICAPはこうした経緯で生まれた製品だ。

 とはいえ同社はこれまでも、「InterScan VirusWall」で、HTTP経由のウイルス検知・削除機能を提供してきた。ISWP ICAPも、ウイルスの検出、削除といった基本的な機能は同じだが、パフォーマンスの高さで一線を画している。ICAP Forumが標準化を進めているキャッシュサーバ標準プロトコル「ICAP1.0」に準拠したことにより、他社製キャッシュサーバと連携しての処理が可能となり、結果として従来製品の2.75倍のパフォーマンスを実現した。

 具体的には、すべてのファイルではなく、ウイルスが潜む可能性の高い特定のファイルのみをキャッシュサーバから引き出して検査でき、効率を高めている。また複数のキャッシュサーバと連携することによるロードバランシングも実現できる。

 ISWP ICAPは10月7日より出荷され、価格は25ユーザーライセンスの場合で、1ユーザー当たり3950円。同じくICAP 1.0に対応するネットワーク・アプライアンスの「NetCacheシリーズ」や、キャッシュフロージャパンの「SG800/SG6000シリーズ」などとの連携が可能だ。

 もう1つの製品は、URLフィルタリングによって、業務とは無関係なWebサイトへのアクセスをブロックする「InterScan WebManager 2.1」(ISWM)だ。

 新バージョンでは、規制URLリストに基づいてアクセスを遮断する従来の手法に加え、ファイル名や拡張子名によるフィルタリングが可能になった。さらに、ユーザーが利用しているWebブラウザの種類やバージョンを検知し、セキュリティホールがふさがれないままの古いバージョンであればアクセスを規制し、未然に被害を防ぐ機能も加わっている。他にも、LDAP連携によるユーザー情報の一元管理が実現された。

 ISWMの価格は、30クライアントライセンスパッケージで23万8000円。10月11日より出荷が開始される。

 なお、同社が先に発表した、「予防」を念頭においた新戦略、「トレンドマイクロ エンタープライズ プロテクション ストラテジー」への対応は、両製品とも次バージョン以降になるという。

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[ITmedia]