エンタープライズ:ニュース 2002/09/25 19:32:00 更新


Keynote:「Javaデバイスの開拓者、日本の開発者にチャンスあり」とサンの副社長

横浜パシフィコで開幕したJavaOneカンファレンスのオープニング基調講演にサンでJavaを担当するリッチ・グリーン副社長が登場し、「想像を超える新しいサービスやビジネスが生まれてくるが、Javaデバイスのパイオニアである日本の開発者にも多くのチャンスがあるはずだ」と話した。

 9月25日、パシフィコ横浜で開幕した「JavaOne Conference in Japan」のオープニング基調講演にサン・マイクロシステムズでJavaを担当するリッチ・グリーン副社長が登場した。

 グリーン氏は、昨年1年間のJavaの進展、特にJava機能を搭載した携帯電話のアジアでの普及などを例に挙げ、「素晴らしい1年を祝おう」と基調講演に集まった約1000人のJava開発者らに話した。

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横浜に縁のあるアザラシの「タマちゃん」のスライドを見せ、会場を沸かせたグリーン氏

 グリーン氏によれば、この1年間でJavaには100を超える仕様が追加され、Java Community Process(JCP)では現在も191のJava Specfication Requests(JSR)が討議されている。策定作業を行っている各エキスパートグループの58%は、サン以外がリードしており、かつてのように「Javaはサンが牛耳っている」という懸念は薄れてきている。

 Javaコミュニティーによって、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)からJava Cardまで、エンドツーエンドのプラットフォーム開発が加速している。

 基調講演後のプレスQ&Aセッションに姿を見せたJavaのクリエーターであるジェームズ・ゴスリン氏は、「Javaは、数多くのコミュニティーによってその技術が急拡大しているが、デバイスとデバイスによるコミュニティーもつくりだしている。Javaは単一のプラットフォームなので、どこからでも作業に取り掛かることができる」と話している。

 グリーン氏は基調講演の中で、ARCグループが2007年にはJava搭載携帯電話の出荷が9億台に達すると予測していることを紹介し、「レドモンドがネットワークを牛耳るのではない。ネットワークはクライアントが定義する。想像を超える新しいサービスやビジネスが生まれてくるが、Javaデバイスのパイオニアである日本の開発者にも多くのチャンスがあるはずだ」と話した。

 サンはJavaOne in Japanの開幕に合わせ、J2MEの機能強化を日米同時発表している。Mobile Information Device Profile(MIDP)2.0やストリーミングメディアをサポートするMobile Media API、ショートメッセージサービスなどのWireless Messaging APIだ。

 グリーン氏によれば、これらの機能強化は、「ムーアの法則の力を借りて、ワイヤレスJavaデバイスが長期的にはデスクトップのギャップを埋められるようにするものだ」という。

 この日、サンは、WebサービスをサポートするJ2EE 1.4のプレビュー版も公開している。Webサービスではマーケティング面でマイクロソフトに遅れをとる同社だが、グリーン氏は、「Javaは、Webサービスグレード。既に基準は満たしている」と強調する。

 6月にJava Web Service Development Pack 1.0をリリースし、1.4では統合が図られる。既に100万ダウンロードの実績があるという。

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[浅井英二,ITmedia]