エンタープライズ:ニュース 2002/10/02 21:18:00 更新


富士通、TPC-C首位を超えるUNIXサーバ最上位「Primepower 2500」を発表

富士通はUNIXサーバの最上位モデル「Primepower 2500」を発表した。Primepower 2500は、新しい1.35GHzのSPARC 64Vを128CPU搭載するハイエンドサーバとして、TPC-Cのオンライントランザクションのベンチマークで首位に立っている、Primepower 2000を凌ぐという。

 富士通は10月2日、都内で記者発表会を行い、UNIXサーバの最上位モデル「Primepower 2500」、および同シリーズとして「Primepower 1500」「Primepower 900」を発表し、同日から販売することを明らかにした。Primepower 2500は、新しい1.35GHzのSPARC 64Vプロセッサを128個搭載するハイエンドサーバとして、TCP-Pのオンライントランザクションのベンチマークで首位に立っているPrimepower 2000を凌ぐ性能を実現しているという。

 なお、同社の製品ラインでは、基幹システム向けのUNIXサーバがPrimepower、IAサーバの「Primergy」シリーズがある。同社はメインフレーム市場で強みを持つものの、オープン化の流れを受け、メインフレーム市場をUNIX機でリプレースしていくというのが基本的な考えと見ていい。

 同社のコンピュータ事業本部、青木隆氏は「ビジネスの場がネットワーク上へシフトしている」と話す。今後ビジネスを成功させるためには、対面販売からWebへのシフト、高品質なサービスによる多対多の相互取引、業種間のシステム連携を意識する必要があるという。同社は、ネットワーク、サーバ、ストレージ、ミドルウェアを有機的に結合するというプラットフォームコンセプト「TRIOLE」を戦略の柱としており、この日の発表もこれに基づいている。

 新製品のPrimepowerシリーズに共通する特徴は、新プロセッサ「SPARC 64V」を搭載していること。SPARC 64Vのクロックは1.35GHz、0.13ミクロンのCMOS銅配線技術をベースとしている。並列処理では6演算同時実行、4浮動点演算同時実行をサポート。オンチップの2次キャッシュは2Mバイト、メモリは最大512Gバイト、ECCのエラー訂正機能、ディスク容量は9.3テラバイトとなっている。

 同社は、563MHzのSPARC 64GPを128個搭載したPrimepower 2000で、TPC-Cベンチマークのオンライントランザクションのノンクラスタード部門で首位に立っているが、SPARC 64Vを128個搭載するPrimepower 2500では、さらにその1.8倍のスループットの実現をターゲットにしているという。

 スループットを最大化するための技術では、Wave PipelineやSource-Synchronousといったスーパーコンピュータの技術を導入することで、540MHzという「超高速」な伝送を実現したとしている。

 一方、Primepower 2500におけるスケーラビリティについては、まずPCIスロットがPrimepower 2000の192と比べて、320に大幅に増えたことが挙げられる。また、周波数の異なるプロセッサを混在させることができるようになったことで、CPUのアップグレードもしやすくなるという。

 さらに、「Extended Partitioning」では、最小1CPU/1Gバイトでの論理パーティショニングが可能。2500では、Extended Partitioningと物理パーティションを含めて計15までのパーティショニングが可能になる。これにより、CPUやメモリ、I/Oといったハードウェアリソースの効果的な管理、耐障害性、セキュリティの向上などが実現するという。

 なお、Primepower 1500の最大CPU数は32、Primepower 900は16となっている。

 Primepower 2500の価格は1億7710万1000円(8CPU、メモリ2Gバイト、ディスク18Gバイト)で2003年の3月初旬の出荷を予定している。また、Primepower 1500は5456万7000円から、Primepower 900は4126万7000円からとなっている。

関連リンク
▼富士通
▼TCP-Cベンチマーク結果(ノンクラスタード)

[怒賀新也,ITmedia]