エンタープライズ:ニュース 2002/10/15 19:38:00 更新


WPC EXPOにも出展、HDDのないタブレット型端末「Hawaiian」は軽さでアピール

バイテックプランニングアンドデベロップメンツは、HDDがないタブレット端末「Hawaian」を開発した。OSは組み込み向けの「Windows CE.NET」。特徴はHDDがないことによる動作の高速性と端末重量が軽いことだ。

 バイテックプランニングアンドデベロップメンツ(VPD)は、HDDがないタブレット端末「Hawaian」(コードネーム)を開発し、10月16日から行われる「WPC Expo 2002」にも出展する。OSは組み込み向けの「Windows CE .NET」。特徴はHDDがないことによる動作の高速性と端末重量が軽いことだ。マイクロソフトがWindows XP Tablet PC Editionをリリースし、ハードウェア各社が搭載ノートPCを発表している。組み込み型のタブレット端末はノートPC志向のTablet PCと直接競合するわけではないが、境界線に曖昧な部分も出てくる。組み込み端末が勝負するには、採用する企業の特定の業務用件を満たし、コストパフォーマンスの高さも必要になってくる。

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VPDの「Hawaian」

 VPDの伊勢谷充夫社長は、WPC EXPOの大多数のセッションに登場するキャッチフレーズ「ユビキタス」にかけ、「指タッチPC」として同製品を紹介する。指でディスプレイを直接触って操作することが特徴となっている。

 特に、子どもの教育や医療現場の医者や看護婦などが利用する場合に効果的という。例えば、小学校の教室に1人につき1台導入することで、教師は同端末を使った双方向的な教育を一元的に行うことができるという。生徒の特性や性格を常に把握しながら、授業を進めることなども可能になるとしている。

 また、倉庫での検品作業を行うことを想定し、同社は専用のキャリーバッグも開発した。端末を片手に、長時間に渡る商品の在庫管理などをする場合、軽いだけでなく、持ちやすく、無理なく利用できる必要があるからだ。

 Hawaiianをはじめとするタブレット端末は、キーボードではなく直接手で触れることが主要な利用形態となる。Windows XP Tablet PC Editionを搭載したPCが、ノート型PCの代替あるい同じ市場をターゲットにしていることを考えると、根本的に位置付けが異なる。ただし、その「特定用途向け端末」が、Windows XPのTablet PCに置きかえられてしまう可能性も否定できない。Hawaianは端末の軽さと「指タッチ」を武器に、利用に最適な場所を模索する。

 HawaiianのCPUは、ナショナルセミコンダクターのGeode GX1 300MHz、メモリは64Mバイト(最大128Mバイト)、ストレージはNAND Flash 64Mバイト(MAX 128Mバイト)、ネットワークはBluetooth、Wireless LAN Ethernet、ディスプレイは10.4インチSVGA 、TFT LCDはタッチスクリーンパネル(800×600×16bpp)、OSはWindows CE.NET/Linux 2.4、サイズは29×21.4×2.2センチメートル、重さは1.2kg(バッテリー含む)となっている。

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[怒賀新也,ITmedia]