エンタープライズ:ニュース 2002/10/22 20:40:00 更新


IBM、自律型コンピューティング推進における今後の計画を発表

IBMは、同社が全社的に推進しているオートノミック・コンピューティング・イニシアチブの次段階を発表した。この中で、新製品やサービス、組織概要などが明らかにされた。同イニシアチブは、IBMが全社的に取り組んでいるもので、コンピューティング・システムの自己管理機能の向上と、システムの複雑さ低減を目指している。

 米アイ・ビー・エム(IBM)は10月22日、オートノミック・コンピューティング(自律型コンピューティング)・イニシアチブの次段階の計画を発表した。同社は、自立型テクノロジーを推進しているオートノミック・コンピューティング部門を中心に、製品とサービスなどを順次提供していく。

 まず、同社のシステムエンジニア、コンサルタントにより、新たな自律型コンピューティング展開モデルを定義して、自律型のインフラストラクチャーを段階的に開発していくための指針を明確にするという。今後、グローバル・サービス部門は、レジリエント・ビジネス・アンド・インフラストラクチャー・ソリューション部門を新設して、顧客のITインフラの回復機能についての評価・改善の支援体制を強化していく。

 また、全世界的にオートノミック・コンピューティング・デザイン・センターを設置。ビジネス・パートナーによる自律型テクノロジーの開発やテストを支援していくとしている。

 自律型機能の実現を支援する製品としては、「WebSphere Application Server Version 5.0」、自律型機能を持つ26のオファリングを追加したチボリ(Tivoli)ソフトウェア製品群、企業のデータベース保守作業を自動化できる「DB2 Version 8」を提供していく計画だ。DB2 Version 8については、11月21日から出荷するという。

 ストーレージ・システム・グループでは、コードネーム「Shark」 (シャーク)の名で開発されている、新しい自立型機能を持った「Enterprise Storage Server」を発表する予定だともしている。

 PCにおいても、「Client Rescue and Recovery」や「Distributed Wireless Security Auditor」(DWSA)などの新たな自立型テクノロジーの機能を組み込んでいくという。Client Rescue and Recoveryは、PCに組み込まれる一連のレスキュー・回復機能で、データ消失やHDDの故障などに対する保護機能を任意に追加する機能。DWSAは、同じ拠点にある複数のPCが連携して、無線ネットワーク内のセキュリティー・ホールを検出する機能だという。これらの機能は2003年末までに提供される予定としている。

関連リンク
▼米アイ・ビー・エム
▼日本アイ・ビー・エム

[ITmedia]