エンタープライズ:ニュース 2002/11/05 19:50:00 更新


WindowsXP対応アプリケーションはVB .NETで開発を

5日より始まった「the Microsoft Conference 2002/fall」では、デベロッパー向けのカンファレンスも開催された。「Visual BasicによるWindowsXP対応アプリケーションの開発」と題したセッションでは、開発者から見たWindowsXPのメリットや、Visual Basic .NETとWindowsXPでの開発のポイントについて解説された

 WindowsXPがクライアントマシンとして主流となっていったときには、WindowsXP向けのアプリケーションをVisual Basic .NET(VB .NET)で開発するのは必然の流れだろう。開発者からWindowsXPを見た場合のメリットとしてまず挙げられるのは、Windows2000カーネルをベースとした高い信頼性と安定性だろう。「Windowsファイル保護」によってシステムファイルを誤って削除したり、上書きすることを防止してくれる。それとともに、Windows2000をコードベースとしていることで、再起動の必要性が少ない、信頼性の高い環境が構築できるためだ。またセキュリティの面から見ても、アプリケーションがインストールされる「\Program Files」や、システムフォルダである「\Windows」フォルダには、一般ユーザーが使用するUsersグループでは書き込み権が与えられていないなど、十分に対策がとられている。

 なんといっても重要なのは、DLLの競合による「DLL Hell」といった問題が回避されていることだろう。「%windir%\WinSxS」フォルダでDLLを管理すれば、バージョンが異なる同一DLLの管理が有効なため、サイドバイサイドのDLL実行が可能となっている。さらに、これまでのWindows9x/Me/NT4.0/2000との互換性モードが利用できることもメリットのひとつだ。Visual Basic6などで、旧バージョンのWindows向けに開発したアプリケーションも、ファイルのプロパティから対応OSを設定することで動作が可能となる。

 ところで、VB .NETを利用するメリットをもう一度確認しておこう。VB .NETでは、強化されたヘルプ機能である「ダイナミックヘルプ」を利用できるので、入力時に関連項目を自動的に抽出し、リストアップしてくれる。また、IntelliSenseも強化されたため、入力がスムーズになっている。ほかにも「タスクリスト」を活用することで、エラーや警告箇所へ素早くアクセスできるほか、「TODOコメント」を利用してあとで行う実装や修正をピックアップできるのは便利だ。またVB .NETでは、入力部分が微妙に違うフォームを作らなければならないときに、簡単に親のフォームからこのフォームを作成できる。ほかにも、参照元のプロパティを派生フォームへ継承することもできるなど、アプリケーション作成時の生産性が向上していることはメリットとなる。さらにVB .NETは.NET Framework対応言語であるため、高いパフォーマンスを発揮してくれる。.NET FrameworkランタイムによりJIT(Just In Time)コンパイルを行ってくれるため、、実行時にネイティブコードへコンパイルしてくれるからだ。

 ところで、VB .NETを利用してWindowsXPアプリケーションを開発するときのポイントを考えてみよう。WindowsXPからは「ユーザーの簡易切り替え」が採用されたため、ユーザーがログオフしなくても切り替えが可能になった。このため、複数のユーザーがログオンした状態で同一のアプリケーションを利用すると、不具合が起きる可能性もある。そこで、WindowsXPから搭載された「comctl32.dllバージョン6」を利用するほうがよい。comctl32.dllバージョン6は「%windir%\WinSxS」ディレクトリにインストールされているが(バージョン5は「%windir%\system32」)、WindowsXPライクなインターフェイスへ変えてくれるだけでなく、ユーザーの簡易切り替えを考慮した、複数アプリケーションの起動抑制を実現してくれる。

 セッションを担当したグローバル ナレッジ ネットワークの鍔田里美氏は「WindowsXPクライアント向けのアプリケーションを作成するためには、VB .NETを利用することでのメリットが数多くある。既存のVB6アプリケーションも、マイクロソフトの提供する『Application Compatibility Toolkit』で可能となる。Visual Basic .NETは、使い勝手のよいリッチなUIクライアントアプリだ」と述べた。

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グローバル ナレッジ ネットワークの鍔田里美氏

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関連リンク
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[今藤弘一,ITmedia]