エンタープライズ:ニュース | 2002/11/19 20:26:00 更新 |
Kylix3 for C++で充実するクラスプラットフォーム開発
2002年9月末、Kylixユーザー待望のC++対応バージョンRAD(Rapid Application Development)アプリケーション「Kylix3」がリリースされた。今までは、Object Pascal言語によって慣れ親しめなかったと思っていた開発者も、今回のリリースによって改めて注目する存在となったことだろう
2002年11月19日、都内のホテルでボーランドのデベロッパーカンファレンス「Borland Conference 2002 Tokyo」(BorCon)2日目が開催された。
セッションの1つ「クラスプラットフォーム開発を実現するCLX」では、開発部・大野元久 氏からKylix3の仕組みの1つ「CLX」についての詳細が解説された。
CLX(Component Library for Cross-platform)は、Kylix3を語る上でキーとなるクロスプラットフォーム用ライブラリ群。Kylix2でもObject Pascalでのクラスプラットフォーム開発がコメントされていたものの、Kylix3ではC++言語がサポートされたことと、CLXの採用でよりいっそうの親和性が強調されている。
大野氏は、CLXの概要を次のように解説し、それぞれの特徴を挙げた。
CLXは、「VisualCLX」「BaseCLX」「DataCLX」「NetCLX」、そして「WinCLX」(Windowsのみ)で構成されているライブラリ総称名。
CLXのベースとなるのはBaseCLXであり、このライブラリではメモリ管理、ファイル入出力、スレッド処理、リソース管理などOS自体に関わる処理を受け持つ。また、WindowsのAPIとLinuxのlibcの差異を吸収する役目もあり、根底を支えるライブラリとなっている。
一方、ボタンやフォームなどGUIの構成を行うのがVisualCLX。Linux版ではQtをベースとした設計になっており、VisualCLXで作成されたアプリケーションはKylixユーサーには商用配布ライセンスが提供される。
DataCLXは、SQLデータベースを操作するためのライブラリ、NetCLXはApacheのDSOなどサーバのネイティブ形式をサポートするソケットコンポーネントである。
これらのライブラリ構成を実装することにより、単にLinuxとWindowsのソースコード上で依存性の無い個所だけがソース互換を実現するのではなく、ネイティブな個所も容易に移植できるよう配慮されている。これがKylix3で実現したいちばんの注目すべき点だろう。
関連リンクKylix3 Open Edition日本語版 配布先
[ITmedia]