エンタープライズ:ニュース 2002/11/19 20:40:00 更新


Delphiによる.NETフレームワークへの対応

国内では9月末に出荷が開始されたDelphiの最新バージョン Delphi 7 Studioでは、新たに.NETフレームワーク対応の開発機能プレビュー版が搭載されている。都内のホテルで開催中のBorland Conference 2002では、その完全ネイティブ対応版となるDelphi for .NETのデモンストレーションが行われた。

 Borland Conference 2002の会場となった都内のホテルでは、米ボーランド・ソフトウェア・コーポレーション ディベロッパー・リレーション部門シニア・マネジャーのジョン・カスター氏によって、ボーランドRADツールのビジョン提示、新しいDelphiのフレームワーク解説、そしてDelphi for .NETのデモンストレーションなどが行われた。

 アプリケーションプラットフォームとして、マイクロソフトの.NET Frameworkへの依存度が高まりつつある中、ボーランドはこれに対応すべく、Galileoというコードネームの次世代開発環境を準備している。Delphi for .NETはこの製品の一部でもあり、既存のDelphiコードとの互換性を重要視した機能拡張が行われる。また、.NET FrameworkとDelphi Frameworkの構造には共通点があり、これによって過去の資産や開発スキルをそのまま.NETプラットフォーム上へ展開することができるという。

 Delphi for .NETのキーとなるのはCIL(Common Intermediate Language)コンパイラとランライムライブラリの2つ。ランタイムさえあれば、どのようなプラットフォームでも動作するアプリケーションが作成できる。デモではCILコンパイラによって生成されたバイナリを、.NET Frameworkを実装したPCやPocket PC上で動作させていた。

 すでにDelphiの最新バージョン Delphi 7 Studioには.NETフレームワーク対応の開発機能プレビュー版が搭載されている。また、Delphi FrameworkのパッケージであるVCL for .NETは年末までにダウンロード可能になるという(英語版)。そしてGalileoは、2003年中のリリースを目標に開発が進められている。

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[ITmedia]