エンタープライズ:ニュース 2002/12/03 20:56:00 更新


NECが「SIPサーバ+ルータ+VoIPゲートウェイ」の新製品を投入

日本電気は、各種サーバやルータ、スイッチ、VoIPゲートウェイなど、データと音声の統合に必須の機器を1つのラックに収めた新製品、「iExpress5800シリーズ」を発表した。将来的には各コンポーネントの小型化を図り、スイッチなどもブレード化する方針という

 日本電気(NEC)は12月3日、各種サーバやルータ、スイッチ、VoIPゲートウェイなど、データと音声の統合に必須の機器を1つのラックに収めた「iExpress5800シリーズ」を発表した。

 同社ではこれを“ネットワークサーバ”と表現している。NECソリューションズカンパニーの小林一彦副社長は、同社のIAサーバ「Expresss5800シリーズ」に、IPを表す「i」を付けた名称どおり、「ネットワークとコンピュータをオールインワンで融合するプラットフォーム」だと説明する。

 iExpress5800シリーズの上部には、SIPやプレゼンス(ユーザーの状態を示す機能)を提供し、音声とデータの統合を実現するサーバのほか、認証サーバ、メール/Webといった各種サーバが搭載される。これらはいずれも、ブレードサーバに特定アプリケーションを搭載したアプライアンス形式だ。また中部から下部にかけては、ファイアウォールアプライアンス「Express5800/FW300a」のほか、ルータやADSLモデム、レイヤ2/3スイッチの「IP8800/710A」が組み込まれる。

nec_iex.jpg
発表会場に展示されたiExpress5800

 したがって、その気になれば、顧客が個別に製品を導入して組み上げても、同等の機能は実現できるわけだ。だがiExpress5800シリーズでは、各機器の設定やユーザー情報、使用状況などの統計情報を一元的に管理するためのツールが提供される。また販売・サポート体制はExpress5800シリーズと同様の形態を採り、一貫したサポートが得られるようにするという。

 同時に、有線と無線、音声とデータの融合といったメリットを最大限に生かせるよう、SIPサーバとソフトフォンを活用したアプリケーションがオプションとして提供される。具体的には電子電話帳や会議システム、電子会議室などだが、さらに、CRMをはじめとする既存のアプリケーションと連携するためのAPI/ミドルウェアも用意しているという。

nec_demo.jpg
同社が開発中のタブレットPCにソフトフォンを搭載し、音声通話を行うデモンストレーションが行われた

 また、VoIPシステムの導入時には、圧縮レートやQoSなどさまざまな調整が必要となる。NECではこの部分をサポートすべく、顧客と1対1のガイダンスを通じて、リモートから必要な設定・導入支援を行う仕組みも提供する計画だ。

 iExpress5800シリーズのラインナップは、顧客規模や搭載機能に応じて「ローエンドモデル」「ミッドレンジモデル」「ハイエンドモデル」の3種類となる。価格はそれぞれ570万円、1200万円、4000万円で、2003年3月1日より出荷が開始される。

 なお、最初の出荷はあくまで「フェーズ1」に過ぎない。NECでは今後、iExpress5800シリーズに含まれる各コンポーネントの集積度を上げるべく、LSI化、小型化を進めていく。

 具体的には、IP8800シリーズのブレード化を図り、他のサーバと同様にブレードサーバ内に収納できるよう、開発を進めていくという。合わせてルータにはSIP-NAT機能などを組み込む方針である。こうして小型化を図った「フェーズ2」の製品は、2003年第3四半期に登場する計画だ。

関連リンク
▼NEC
▼8番街

[高橋睦美,ITmedia]