エンタープライズ:ニュース 2002/12/11 21:04:00 更新


McAfeeとSnifferに注力するネットワークアソシエイツ

日本ネットワークアソシエイツは12月11日、都内のホテルにて「NA WORLD TOKYO 2002」を開催した。これに合わせて来日した米ネットワークアソシエイツの会長兼CEO、ジョージ・サムヌーク氏は、セキュリティとネットワーク管理という2つの分野へのフォーカスを強調した

 日本ネットワークアソシエイツは12月11日、ウイルス対策システム「McAfee」とプロトコル解析/ネットワーク管理システムの「Sniffer」に焦点を絞ったプライベートカンファレンス、「NA WORLD TOKYO 2002」を開催した。

 これに合わせて、米ネットワークアソシエイツ(NAI)の会長兼CEO(最高経営責任者)を務めるジョージ・サムヌーク氏が来日。プレス向け説明会の席で同氏は、「McAfeeはウイルス対策分野でナンバーワン。またSnifferはネットワーク管理の分野でナンバーワンだ」と語り、セキュリティとネットワーク管理という2つの分野の大半を1社でまかなっているという点を強調した。

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「ITの世界におけるネットワーク管理とセキュリティの大半をNAIがまかなっている」とサムヌーク氏

 NAIは今年9月、一時期スピンオフし、コンシューマー市場をターゲットとしたウイルス対策サービスを展開してきたMcAfee.comを再統合した。一方で、いったんは傘下に収めた暗号ソフト「PGP」については、今年3月に販売を停止し、製品群をPGP Corp.に売却している。

 こうした一連の動きの背景を、サムヌーク氏は次のように説明する。「PGPでは数百万ドルに上る損失があった。これ以上損を出さないためにも、正しい決断だった」。さらに同氏は「われわれの戦略は明確だ。第1位、あるいは2位になれなければ、その市場から撤退するということだ」と語っている。

Snifferにセキュリティを統合

 逆に言えば、McAfeeおよびSnifferの2ブランドについては、今後も積極的な展開を図り、市場での優位を確保する構えだ。現にMcAfeeについては、先述のとおりMcAfee.comの株式を取得し、エンタープライズ向けのウイルス対策とコンシューマー/SOHO市場向けのウイルス対策の統合を図っている。

 またSnifferに関しては、米トラクセスの買収を通じて、キャプチャしたトラフィックを保存・再現するための技術を入手。これをベースに、不正侵入発生時にいったい何が起きたのかを把握するフォレンジクス分野に手を広げ、製品を提供する。合わせて、RealSecure(含むBlackICE)により、不正侵入検知システム(IDS)市場でシェアナンバーワンを誇るインターネット セキュリティ システムズ(ISS)との提携を通じ、不正侵入“防止 ”機能をSnifferに統合した新製品を投入していく計画だ。同社は一連の取り組みを通じて、Snifferにセキュリティ機能を統合し、提供していく。

 なおこれらに先立ち、「nPO(Network Performance Orchestrator)」という、企業ネットワーク全体の管理を行うためのツールがリリースされる。国内では2003年1月に出荷される見通しだ。

 nPOでは、ネットワーク機器の稼働状況や障害の検出、アプリケーションパフォーマンス監視、さらに不正侵入検出・防止といった機能を提供する。こうした一連の機能により、ネットワークで今何が起きているかを、目に見える形で一元的に把握し、管理することが可能という。単一のコンソールによる中央集中管理という意味では、同社が提供するポリシー管理ツール「ePO(ePolicy Orchestrator)」と相通じる部分も大きいのだが、当面はこの2つの管理ツールが並行して提供される方針だ。

 いずれにせよ同社は、一連の新製品群の投入を通じて、ネットワークセキュリティ全体を強化するためのソリューションを引き続き提供していくとサムヌーク氏は言う。「顧客は高いセキュリティと信頼性、アベイラビリティを備えたネットワークを望んでいる。NAIは、単一の企業としてこれらを提供できる唯一のベンダーだ」(同氏)。

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[高橋睦美,ITmedia]