エンタープライズ:レビュー 2003/01/29 16:37:00 更新


レビュー:手軽に導入できるネットワークストレージ「HDA-i120G/LAN2」 (1/3)

稼働時12W、待機時4.5Wの省電力に加えファンレスによる静粛性にも優れているファイル共有サーバ。安定した24時間稼働が可能であり、WindowsだけでなくMacOSからも共有アクセスが可能

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 アイ・オー・データ機器から発表された「HDA-i120G/LAN2」(通称:LANDISK)は、NAS(Network Attached Storage)と呼ばれるネットワークストレージ技術が採用された製品だ。

 「NAS」とは、イーサネットやFDDIなどに直接接続ができる製品を指し、従来Windows ServerやLinuxなどでファイル共有を行っていたものを代替えできる単機能ファイルサーバ機器である。メリットは、ファイル共有だけのためにOS構築やメンテナンスが不要な点だ。

 ここで紹介する「HDA-i120G/LAN2」最大の特徴は、最近のブロードバンドルータに見られるWebアクセスによって設定が行える点、そしてイーサネットケーブルで既存のLAN環境につなぐだけで手軽に利用できる点だ。「HDA-i120G/LAN2」(以下、HDA-i/LAN2)は、従来モデル「HDA-i120G/LAN」の改良型と位置づけられるが、外観だけではなく内部にも幾つかの変更点がある。「純国産でチューニングを行っているため、早期のうちに改良型を発表できた」と、同社は言う。

 この記事では、まず最初に外観からの特徴、続いて実際の使用を想定したWebアクセスによる設定面、最後にファイル転送スピードのベンチマークを紹介していく。

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パッケージ内容。一見するとハードディスクが2台並んでいるように見える。しかし、一方のユニットにはサーバ機能が搭載されておりシステム領域がディスクを占有しない構造だ

i・CONNECTの拡張性がウリの1つ

 外観から見える構造面でいちばんの特徴は拡張性だ。HDA-i/LAN2は、HDA-i/iU/iEシリーズなどの「i・CONNECT」を搭載するハードディスクユニットと、「LAN-iCN2」と呼ばれるLAN接続のためのユニットが組み合わさっている。このため、購入後であってもディスク容量を増やしたいという要望に応え、i・CONNECT接続の大容量なディスクを追加購入すればグレードアップが可能だ。LAN接続ユニット「LAN-iCN2」はそのまま流用することができる。

 従来モデルでも採用されていたLANユニット機構は、同社のディスク製品と同じケースに収められたため、外観からも分かるように一体感を高めた。

 何気ないが、背面部のケーブルの扱い方が気になった。電源供給には配慮が見られ、ACアダプタからのLANユニットへの接続は、パッケージ付属のケーブルによりLANユニットからディスクユニットにバイパス接続する。従来モデルでは電源ケーブル2本をそれぞれのユニット接続していたが、このわずらわしさから解放された。しかし、ユニット背面を上からのぞき込むと折り曲げ状のケーブルがかなりの奥行きになってしまうため、専用の接続形態が理想にも感じる。

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背面部のケーブルはかなりの奥行きを要する

 電源スイッチには若干の不安がある。LAN/ディスクユニットそれぞれの側面にスライド式のスイッチが用意されているが、これがかなり容易に動いてしまう。稼働中に誤ってスライドしてしまわないかと心配と感じた。複数の人で利用する共有サーバともなれば、不意に電源断にならぬよう十分な注意が必要だ。設置方法として特に、縦置き横置きを問わないため、置き方で工夫をすればよいかもしれない。

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スライドスイッチには何もノッチなどが無く若干の心配を感じる

 稼働音は極めて静かだ。ハードディスクの稼働音が微妙に聞こえるが、5400rpmの静かなモデルが採用されており、耳を近づけなければ動作しているかが分からないほどである。また、アクセスが一定期間無ければ回転が停止する配慮もある。ファンレス構造の効果は絶大であり、これならば机上でPCの横に置くといった利用でも十分に現実的だ。

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[木田佳克,ITmedia]