エンタープライズ:ニュース 2003/02/07 22:24:00 更新


NET&COM 2003レポート:膨大なトラフィックに備える高速ネットワーク機器

2月7日まで開催された「NET&COM 2003」では、ファウンドリーネットワークスやNTTPCコミュニケーションズが、バックボーンのさらなる高速化に備えた新製品を紹介した。

 ファウンドリーネットワークスは、2月5日より7日にかけて開催された「NET&COM 2003」の会場で、10ギガビットイーサネット(10GbE)を2ポート搭載した新モジュールを披露した。1ポートのモジュールは、シスコシステムズやエクストリーム ネットワークスなど、他のベンダーからも提供されているが、2ポートとなると「これが初めて」という。

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ファウンドリーのブースで紹介された10GbE 2ポートのモジュール

 同モジュールは、BigIronやNetIron、JetCoreを搭載したFastIronで利用でき、同社の「sFlow」テクノロジによって、リアルタイムにトラリック管理が可能だ。またRapid STP(IEEE802.1w)やMPR(Metro Ring Protocol)による信頼性の向上、802.3adに基づくリンクアグリゲーション、あるいは802.1qベースのスーパーVLANアグリゲーションなど、従来からの機能を引き続きサポートしている。

 環境に応じて接続インタフェースを変更できるよう「Xenpak」に準拠していることも特徴の1つだ。価格は明確ではないが、ポート単価に直せば従来の3分の1程度になるといい、3月より販売が開始される予定だ。

10GbE環境でL2 VPNを

 NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)は、ブース内でちょっとした“擬似バックボーン”を作ってみせた。

 同社では、ジュニパー・ネットワークスの「M10」とリバーストーンネットワークスの「RS3000」、それに国内初登場となるプロケット・ネットワークスのバックボーン向けルータ「Procket PRO/8801」をギガビットイーサネットで接続。その上で、Draft-Martiniに基づくEoMPLS(Ethernet over MPLS)を実演した。なおL2 PVNを実現しているMPLSのパス設定は静的なものではなく、RSVP-TEで動的に行っている。

 3月出荷予定のProcket PRO/8801は、40Gbpsという高速処理に対応した独自のチップを搭載した高性能ルータだ。最大80Gbpsというパフォーマンスの高さやポート密度もさることながら、特徴は、堅牢な設計と厳選したコンポーネントによる信頼性の高さにあるという。出荷を前に、日本の大手キャリアを含め、全世界で数十社が評価作業を進めているという。

 NTTPCは同時に、メトロエリアネットワークをターゲットにした、米アトリカのイーサネットスイッチ、「A-8100シリーズ」も披露した。とにかくレイヤ2に特化し、数多くのトランスポートを安価に提供することを目的に設計された製品で、1つのラックで、最大45ポートの10GbEを搭載できる。また、スループットを落とすことなくレイヤ2 VPNを実現する、ハードウェアベースのEoMPLSサポートも実現している。

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アトリカの製品とリバーストーン、ジュニパーのルータを相互接続。この隣にはProcket PRO/8801も展示されていた

 同社の説明によれば、「エクストリーム ネットワークスやファウンドリーネットワークスのエンタープライズ向け製品と同等のポート単価で、キャリア並みの信頼性を提供する」という。ファストリルートに似た独自技術によってパスを保護し、50ミリ秒以下で経路の切り替えを実現できるということだ。

関連リンク
▼NET&COM 2003
▼ファウンドリーネットワークス
▼NTTPCコミュニケーションズ

[高橋睦美,ITmedia]