エンタープライズ:ニュース 2003/02/13 23:12:00 更新


Windows 9xからWindows XPへアップグレードする最も簡単な方法

2時間に及ぶ長丁場の基調講演後に行われた「EDC2003」のカンファレンス。クライアント側の技術を取り上げたトラック3では、「Windows 9x環境からWindows XPへの効率的なアップグレード」と題して、短時間で多くのPCに「Windows XP Professinonal」をインストールする方法が紹介された。

 2時間に及ぶ長丁場の基調講演後に行われた「EDC2003」のカンファレンス。クライアント側の技術を取り上げたトラック3では、「Windows 9x環境からWindows XPへの効率的なアップグレード」と題して、短時間で多くのPCに「Windows XP Professinonal」をインストールする方法が紹介された。

「Windows XPの大量導入を行うにはもっとも短時間でできる方法だ」と福田真紀子氏(グローバルナレッジネットワーク ラーニングソリューション本部 Microsoft-Solutions)が紹介したのは、システム準備ツール「Sysprep」を利用してディスクイメージの展開を行うという方法。この方法は、一度に何百台という同じ環境のPCを作成するには有効な手段だという。

福田真紀子氏

「新規インストールには、手動インストール、無人インストール、Sysprepを使用したイメージの展開の3手法があります」(福田氏)


 Sysprepは、ユーザー名やコンピュータ名などコンピュータがそれぞれ一意に持つ情報を削除し、ディスク複製のために各コンピュータに一意のSIDを生成する機能。Sysprep.exeとSetupcl.exeの2つの実行ファイルで構成されている。この機能を利用するには、まず「参照コンピュータ」と呼ばれる複製元となるPCを作る必要がある。その際には、複製先のPCとHAL、ACPIサポート、HDD容量、ドライバなどを同じにすることが大切だ。

 次に、システムドライブのルートにSysprepフォルダを作成する。そこにSysprep.exeとSetupcl.exeを展開し、Sysprepを実行。その後、シマンテックの「Ghost」のようなクローニングツールを使って参照コンピュータを起動して、イメージを作成。インストール先のPCにツールでイメージを復元するという手順を踏む。

 インストール先のPCは、Sysprepのオプション機能を使って「Mini-Setup」で起動するようにしておく。これにより「通常は45分〜60分かかるセットアップ時間を4〜5分で行える」という。

 また、Windows XPの全面展開を行う前に業務アプリケーションの動作確認をしておく必要があるが、もし互換性がなくとも、およそ200種類用意されているという「互換性フィックス」を利用することで解決することができることも多い。このフィックスを適用するには、互換モードとApplication Compatibility Toolkit(ACT)を利用する2つの方法がある。

「互換モードはすべてのフィッスクを適用するので簡単な方法だが、アプリケーションによってはすべてのフィックスを必要としない。それに、互換モードにはないフィックスを組み合わせなければならいないアプリケーションには対処できない。一方で、ACTは手動で必要な互換性フィックスを探し出さなければならず少々難しいという面がある」

 また、Windows XPを導入する際にクリアしなければならないものに、ライセンス認証がある。ライセンス認証は、プロダクトIDとハードウェア構成情報から生成されるインストールIDをマイクロソフトがデータベースで管理するというもの。不正コピー防止のために取られた方法だが、Windows XPにログオンするたびに確認されるため、ハードウェア構成が大幅に変更されたりすると最認証が必要になったりする。

 これについて、福田氏は「5台以上導入するような企業にとってはボリュームライセンスを利用して、Sysprepで展開していくのが一般的だ」と話した。ボリュームライセンス版では、ライセンス認証が不要となっている。

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[堀 哲也,ITmedia]