エンタープライズ:ニュース 2003/02/14 23:15:00 更新


XMLでフロントエンドアプリを統合する国内初披露の「XDocs」

「EDC 2003」2日目、マイクロソフトの次期「Office」で新たに追加される電子フォームオーサリングソフト「XDocs」を国内で初めて披露。XDocsにより、XMLを利用して業務アプリケーションのフロントエンドの統合を容易に実現できるようになるという。

 「EDC 2003」2日目、マイクロソフトの次期「Office」で新たに追加される電子フォームオーサリングソフト「XDocs」を国内で初めて披露した。

 XDocsは、マイクロソフトが「0ffice 11」で目指す、データを有機的に結びつける「エコシステム」というビジョンに基づいて開発されたアプリケーションの1つ。Office 11の特徴として挙げられているXML対応を代表するデスクトップアプリケーションといえる。

米田真一氏(左)と細井智氏(右)

XDocsはXMLによる業務アプリのフロントエンドを統合しますと語る細井氏(右)と、デモを行った米田氏(左)


「WordやExcelなどの異なるコンテンツデータの管理は今まで困難だった。そういったデータの孤島といった状態を解決するのがXMLデータ。Wordの文書は階層化されていないが、XMLで書き出すことで階層化され、コンピュータにも構造を理解できるようになる」(細井智氏 マイクロソフト 製品マーケティング本部Office製品部)

 Office 11ではWord、Excel、AccessでXMLをサポートすることになっているが、XDocsは電子フォームの「入力モード」とフォーム開発用の「デザインフォーム」を搭載、WorldやExcelを編集するのと同じ要領でXMLデータを利用できるようにした。ユーザーにとっては、XMLをまったく意識することなくXMLデータを生成、再利用できるほか、開発者は「Officeのフォームを使える程度の知識」さえあればXMLデータを利用するリッチなフォームを作成でき、バックエンドシステムとのデータ連携を図れる。

XDocsのユーザーインタフェース「入力モード」

XMLを意識せずに利用できるユーザーインタフェース


 ユーザーインタフェースは別のOfficeアプリケーションと同様のデザインを採用した。データはXMLファイルとして、ロジック(バイナリ)はXSNファイルとして切り離されて別に保存される。「データとロジックを別々に管理することで、データの再利用を可能にした」(米田真一氏 マイクロソフト プロダクト ディベロップメント リミテッド Officeグローバリゼーション開発統括部)。それにより、複数のXMLファイルを結合して1つのファイルとして利用するなどデータを柔軟に扱うことができる。

 開発は、「レイアウト」でコンポネントを配置し、「コントロール」「データソース」「ビュー」「フォームの発行」とそれぞれ設定を行っていく。データソースで、ノードの文書構造を定義しWebサービスと連携させることができる。利用が想定される在庫管理や調達管理などについてはサンプルテンプレートも20種類以上提供する。

XDocsのユーザーインタフェース「デザインモード」

開発はデザインモードから5項目を埋めていく形で簡単に行える


 また、次期「SharePoint」ではXML用のドキュメントライブラリを提供する予定で、XMLファイル内の任意のデータを抽出して、直接表示できるようになるなどXMLデータの利用の幅が広がりそうだ。

「XDocsは分散環境の文書を1つのアプリケーションで扱えるスマートクライアントとして、業務アプリケーションのフロントエンドを統合する利用などが想定される」

 XDocsはOffice 11と併せて「夏過ぎ」にはリリースしたいという。また、米国では2月10日にXDocsの正式名称が「InfoPath」となることが発表されている。

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[堀 哲也,ITmedia]