エンタープライズ:ニュース 2003/02/21 00:33:00 更新


「Oracle9i on Itanium 2 Processor Conference」が開催、Itanium対応Oracleは4月出荷

日本オラクルは2月20日、都内のホテルで「Oracle9i on Itanium 2 Processor Conference」を開催した。このイベントは、Itaniumプロセッサファミリに対応したOracle9i DatabaseのHP-UX版出荷のプレス発表に合わせたもの。オラクルはこのOracle9i on Itanium 2 Processor Conferenceを皮切りに、25日、28日にもイベントを予定しており、さながら“東京版”OracleWorldウイークとなっている。

 Oracle9i on Itanium 2 Processor Conferenceは、日本オラクルのほか、インテル、日本ヒューレット・パッカードを合わせた3社が共同で主催した。午前中の基調講演では、オラクルの新宅正明代表取締役社長、インテルのジョン・アントン代表取締役社長、日本HPの寺澤正雄代表取締役会長が順に登場した。

アントン社長、寺澤会長、新宅社長

(左から)インテルのジョン・アントン社長、日本HPの寺澤正雄会長、日本オラクルの新宅正明社長


 トップバッターの新宅社長は、Oracle Databaseが64ビット対応では7年間の実績を持ち、出荷中のUNIX向けOracle Databaseすべてが64ビット対応(Solaris向けには32ビット版も用意)していることなどを紹介して、64ビット対応におけるアドバンテージをアピールした。

 Itanium 2対応について、オラクルはインテルとの密接な協力関係のもとで開発に取り組んできた。最初のItanium 2対応版Oracle Databaseである「Oracle9i Database for Itanium processor Family」HP-UX 11i version1.6対応版は、4月7日に出荷開始する(米国ではすでに出荷済み)が、Itaniumで稼働する商用データベース製品の出荷は、日本ではオラクルが始めてという。Itanium 2への対応は、単に64ビットプロセッサへの対応というだけでなく、サポートするOSが、64ビットUNIX(HP-UX)のほかに、64ビット版Windows、64ビット版Linuxという、マルチOS対応という意味も持っている。Windows Server 2003(64ビット版)、Linux版ともに、OSが正式出荷され次第、すぐに出荷の予定としている。

 新宅社長がOracle9i Databaseについてさらに強調したことに、ISO/IEC-15408(Common Criteria):EAL4をはじめとした国際標準セキュリティ評価基準への対応と、Oracle9i Real Application Clustersによるスケールアウトへの対応がある。セキュリティ評価基準はいくつか存在するが、複数の評価基準をクリアしているDatabaseソフトはOracle Databaseのみだという。

 新宅社長は今回のItanium 2対応版Oracle9iの発表によって、32ビットシングルノード、32ビットクラスタ、64ビットシングルノード、64ビットクラスタという、あらゆる規模のシステムニーズに対応できるラインアップになったとしている。

 新宅社長に続いて講演した、インテルのアントン社長は、ムーアの法則を引き合いに、2010年には動作周波数30GHz、20億トランジスタを搭載したプロセッサが登場すると切り出した。講演の途中には、プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング本部長の町田栄作氏が登場して、今年夏リリース予定のMadisonから2005年リリース予定のMontecitoまでのItanium 2のロードマップや、Itanium 2搭載サーバが達成したパフォーマンスなどを紹介しながら、Itaniumプロセッサファミリの現在とその将来についてアピールした。

 最後に登場した日本HPの寺澤会長は、オラクルとの20年に及ぶパートナーシップや、両社が8万以上の共通顧客を持つこと、オラクルの37%の顧客がHPサーバを使用していることなど、両社の良好な協力関係を紹介した。また、Itaniumプロセッサファミリ開発におけるインテルとの緊密な協力関係についても触れた。もっとも時間をかけて説明したのは、もちろんItanium 2を搭載したhpサーバ製品群だ。同等の性能を持つサン/マイクロシステムズやIBMのサーバと比較して、TCOを最小化できると説明。AlphaやPA-RISCといった64ビットプロセッササーバへの、ソフト/ハード両面の経験やItaniumプロセッサファミリに関して、どこよりも深く関わっていることで、Itaniumプロセッサファミリの性能を一番引き出せるのはhpサーバだ、と訴えた。

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[佐々木千之,ITmedia]