エンタープライズ:レビュー 2003/03/17 17:43:00 更新


レビュー:複数のサーバが対象可能な全文検索システム「Akao」 (1/3)

オフィス内のファイルサーバには、さまざまな形式のデータが入り乱れているだろう。このような文書の中から目的の物を探すには、検索システムを導入するのがよい。「Akao」は、数多くのフォーマットを取り込み可能な全文検索システムである。レビュー記事を紹介しよう
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 テンアートニとデータ変換研究所から発売されている「Akao」(アカオ)は、ネットワーク内に分散するデータからキーワード検索を行い、目的のデータを探し出せるソフトウェアだ。いちばんの特徴は、ネットワーク上のサーバ(Windows/Linux/Solarisなど)を検索対象にできること。対象となるファイル形式は次の通り多岐に渡っており、多くの企業で採用されている形式はほぼすべてが網羅されていると考えてよいだろう。

■検索対象にできるファイル形式
Microsoft Word 95/97/98/2000/2002
Microsoft Excel 95/97/98/2000/2002
Microsoft PowerPoint 95/97/98/2000/2002
一太郎 Ver.5〜12
OASYS V6/7/8/2000
Lotus Word Pro
RTF
PDF
テキストファイル(EUC/JIS/SJIS/UCS2/UTF8)
画像(BMP/TIFF/JPEG/PNG/PDF)
AutoCad DXF/DWG

 Akaoは、インストールを行った「検索サーバ」以外のディスクをマウントし検索対象とすることが可能だ。そのため、インストールするサーバ自体がファイルサーバである必要はない。ただし、検索とマウント用にSamba自体は必要となる。また管理ツールおよび検索ツールはWebを通じて行われるため、Akaoをインストールするサーバには、あらかじめhttpサーバ(Apache)が稼働状態になっている必要もある。検索および管理ツールはCGIで提供される。

クライアント側での利用形態

 クライアントとなるPCの条件は、Webブラウザが利用でき、Akaoをインストールしたサーバへアクセスすることが可能なことだ。これは最近のPCであれば容易なことだろう(ただし、基本的には詳細を後述するようにInternet Explorerが前提となる)。

 検索を行う前には、ログイン手順が必要である。これは、閲覧制御機能のためと、Akao自体のライセンス管理が関わっている。なお、無制限ライセンス版を用いる場合には、サーバ側の設定によりログイン認証無しで検索手順に移ることが可能だ。しかし、この場合には閲覧制御機能が利用できない。

画面

Akaoのクライアントログイン画面


 ログイン後の検索メインページでは、「日付け」、「サーバ」、「検索条件(and/or)」、「表示件数」、「検索キーワード」の要素を指定して目的のデータを探し出すことができる。

画面

検索条件入力画面。データに含まれる単語や更新日付け、対象とするサーバなどを指定可能


画面

検索結果表示例。リンクをたどることで実際に該当するファイルを表示することが可能だ


 上の画面で分かるように、実は検索結果でのリンク表示がWindowsで利用するUNC(Universal Naming Convention)名になっている。そのため、そのままクリックすることで(Internet Explorer上では)目的のファイルを読み込むことができるのだ。

 また、利用するユーザには、管理者がそれぞれの所属グループと呼ばれる設定が行えるようになっている。これは、検索対象内のフォルダ別に検索対象に含める、含めないをグループごとに設定可能とするためだ。そのため、検索結果に部外で読む必要のない文書を対象外とする工夫ができる。

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[佐藤大輔,ITmedia]