エンタープライズ:ニュース | 2003/04/10 16:25:00 更新 |
10個のギガビットイーサよりも1つの10GbEを、リバーストーンが新スイッチ
リバーストーンネットワークスは4月9日、10ギガビットイーサネット(10GbE)に対応した新しいレイヤ3スイッチ製品「XGS9000」ファミリを発表した。ワイヤレートのパフォーマンスを実現しながら、従来よりもずっと低い10GbEポート単価を実現するという。
リバーストーンネットワークスは4月9日、10ギガビットイーサネット(10GbE)に対応した新しいレイヤ3スイッチ製品「XGS9000」ファミリを発表した。メトロエリア向けルータ「RSシリーズ」やスイッチ製品の「ESシリーズ」に続く第3の製品群となる。アーキテクチャを一新したことから、ワイヤレートのパフォーマンスを実現しながら低価格で10GbEポートを提供できることが特徴という。
米リバーストーンのコーポレート・マーケティング・シニアディレクタであるステファン・ギャリソン氏は、「複数の調査会社が指摘していたことだが、10GbEは広範に普及するには高価すぎた」と指摘。「10GbEを1ポート導入するよりも、GbEを10ポート導入するほうが安くついたが、リバーストーンはこの状況を変えていく」という。
具体的な価格だが、米国での10GbEポート単価は実売ベースで9995ドルという。既にシスコシステムズ、ファウンドリネットワークス、あるいはフォーステンといったベンダーでも10GbE対応製品を投入しているが、これらの米国でのリスト価格は3万〜4万ドルというから、大幅な低価格化だ。日本での価格はまだ未定というが、基本的には米国での価格に準ずるという。日本での10GbEポート単価が、これまで数百万円から定価ベースでは1000万を超えることもあったことを考えれば、これでも相当のコスト削減になる。
このような低価格化は、いくつかの工夫によって実現されたとギャリソン氏は説明する。その1つが、ラインカード当たりのASIC集積度を高めたこと。もう1つは、メモリアーキテクチャを変更し、CAMメモリから汎用的なSRAMベースのメモリに移行したことだ。ただし、BGP、IS-ISといった各種ルーティング技術やMPLS周りの処理などは既存の製品ラインから引き継ぎ、しかもFPGA技術によってカスタマイズ可能な柔軟性を維持した。
一連の技術によって、パフォーマンス向上という効果ももたらされた。「既存製品の場合、10GbEモジュールといっても実質的なパフォーマンスは8Gbps程度だった。これに対しXGS9000ファミリは、真にワイヤレートを実現している」(ギャリソン氏)。ACL(アクセスコントロールリスト)を多数設定したり、パケットサイズが変化してもパフォーマンスの劣化は見られないという。
「顧客には2タイプある。ワイヤレートを求める顧客と、準ワイヤレートでよしとする顧客だ。リバーストーンは、ワイヤレートを求める顧客にフォーカスしている」(ギャリソン氏)。特に、VoIPサービスなどを展開する通信事業者だけでなく、多数のラインを集積した企業ネットワークコアに近い部分でも、10GbEの需要が伸びてくるとの予測を示した。
XGS900ファミリには、8スロットモデルの「XGS 9008」と16スロットモデルの「XGS 9016」の2種類があり、5月より出荷が開始される。これに搭載可能なインタフェースモジュール(ラインカード)として、ファイバインタフェースのGbE×10、コパー(銅)インタフェースのGbE×10のほか、10GBASE-LR対応の10GbEを1ポート搭載したものが用意される。今後、10GBASE-SRおよび10GBASE-ER対応のラインカードもリリースされる予定だ。
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リバーストーンネットワークス
[高橋睦美,ITmedia]