エンタープライズ:ニュース 2003/04/11 13:44:00 更新


IBM developerWorksLive!:ebay、マスターカード、UPSがTivoliディスカッションで語る

ワールドワイドでリアルタイムな情報交換を必要とするのは、特殊な分野だけではない。日常利用されているサービスには、すでにTivoliが導入されているという。採用ベンダーが語るその効果とは

 IBM developerWorksLive!、開催初日の4月9日はPlanet Tivoliデーと題された基調講演に引き続き、パネルディスカッションが行われた。このディスカッションのテーマは、「なぜTivoliを選択したのか?」というストレートなもの。壇上には、ebay、マスターカード、UPSの各ベンダーから代表者が参加され、Tivoliソフトウェア導入による効果が語られる。

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ポータル、トラッキング追尾、顧客情報、そして決済などのキーワードを持つベンダーが会す


トラッキング能力を重視するUPS

 UPSとしては、「パッケージのトラッキング能力がいちばんのテーマとなっている」という。さらにオンデマンドへの取り組みによるテクノロジー効果だけでなく、ビジネスモデル自体もが変貌を遂げたのだとコメントされた。コストメリットも見逃せない点であり、セキュリティ人員は1/10までと、管理コストが劇的な変化を見せている。

TivoliへのコミットはすでにIBM以前だ、とマスターカード

 マスターカードは最もTivoliとの関連が密接なベンダーかもしれない。同社では世界200か国のグローバルな展開が行われているが、テーマとしては「いつでもどこでも世界中で」が掲げられていることがお馴染みだ。また複数の国際貨幣、24時間のトランザクションを保証しなければならず、そのリアルタイム性の追求についてはTivoliを早期に導入していたことが大きく影響しているという。

 2002年度の総計は約400万回のオーサライズが記録され、クレジットカードによる利用規模はオンデマンド無くしては語れないものだとコメントする。また、同社ではすでに5、6年の歴史があるプロジェクトとなっていることも強調された。

 マスターカードではIBMによるリリース以前からすでに導入されていたという経緯もあるほどだ。さらに興味深い点では、「パッケージングシステムにはUPSのテクノロジーを参考にさせていただいた」というエピソードもあるのだという。ビジネスパートナーに的確な開示が実現されることもTivoliのみならず、IBMが掲げるオープン化に通ずるものだ。

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実例から学ぶことは多い。Tivoliが現実的であることがディスカッションでリアルに語られる


アクセス推移の把握がTivoli導入の要とebay

 ebayでは1日に100万のトランザクションが記録されている。商品のやり取りは非常に多岐に渡る種別を持ち、システムの特徴の1つとしてカテゴリーが膨大にあるという点が挙げられた。このバックグラウンドから、Tivoliを強く意識する要因の1つとなったのだという。

 トランザクションが集中するカテゴリー、一方、集中を読みづらいカテゴリーがあることもebayでは苦労をしているとコメントする。例えば、バレンタインが近づくと2、3週間前に装飾品などへの集中が予想できるが、一方、スポーツ用品については予想がしづらい。そのようなカテゴリーごとの特性を予測しつつ、リアルタイム性が要求されるのがebayのシステム構成となっている。また、ebayのようなコンテンツは多くの人が利用するほどに価値が向上していく性質を持ち、この点からはビジネスの在り方が変わってきた、ともコメントされた。

 最後に会場を沸かせたのは、ジョーク交じりながら現実的とも思えるエピソードである。あるユーザーがebayでコンピュータを購入し、その金額が600ドル、UPSの送料は20ドル、その決済はマスターカードによって行われる。そしてCMでもお馴染みな「プライスレス」がTivoli、というオチだ。

関連リンク
▼ebay
▼マスターカード
▼UPS
▼Welcome to Tivoli software from IBM

[木田佳克,ITmedia]