エンタープライズ:ニュース 2003/04/22 22:24:00 更新


Office 2003パッケージのラインアップは全4種類、プレリリースキットの提供も開始

マイクロソフトは4月21日、今夏に発売が予定されているOfficeの新バージョン、「Microsoft Office 2003」の詳細なデモンストレーションをプレスに向けて行った。新たに「Office System」と名付けられたスイートパッケージは、おもに企業向けの新機能が数多く搭載される。

 4月21日、マイクロソフトは都内で「Microsoft Office System Reviewer's Workshop」を開催し、プレス向けに新しいOfficeのデモンストレーションを行った。

 Microsoft Office 2003の名称で7-9月期に発売される予定の新Officeは、現行バージョンであるOffice xpで採用された作業ウィンドウの機能をさらに発展させ、「インフォメーション ワーク」という明確な用途を設定してコーポレートユーザーにアピールする製品となっている。

 はじめに挨拶に立ったのは、米マイクロソフト プロダクトディベロップメントリミテッド プレジデントの藤井照穂氏。今年で10周年となるMicrosoft Officeの歩みを紹介したあと、7-9月期に発売となるOffice 2003は「人と情報とプロセスの結合」を目指したプロダクトであると述べた。個人が文書作成に使うツールだったOfficeが、ネットワークの発達や情報の高度化などによって、企業システムのフロントエンドとして利用されるまでに進化したという。また、現状のOfficeの機能で十分と考えるユーザーにも、新しい価値とその必然性を十分に認識してもらえるような製品を目指したとして、個人ユーザーにフォーカスを当てた新機能や、日本語版独自のフィーチャーなどが取り入れられたことも明らかにした。

藤井照穂氏

「新しい時代のアプリケーション」がOffice 2003の開発ゴールだったと藤井氏。


 続いて登場したのは製品マーケティング本部 オフィス製品部 部長の横井伸好氏。同社がOffice 2003のメインターゲットとして新しく提唱した「インフォメーション ワーカー」の定義や、それにOffice 2003がどのように対応するかが説明された。それによれば、インフォメーション ワーカーとは「様々な情報を収集、加工、共有し、仕事の中で積極的に活用する人々」のこと。つまり、仕事でコンピュータを使っていれば必然的に行っている作業を、さらに一歩進めた形で行う人々ということになる。一歩進めた形とは、集めた情報を加工したり共有したりといった2次的な利用の方法だろう。こういった作業をサポートするのが、新しいOffice 2003ということになる。

 これに向けてマイクロソフトは「Microsoft Office System」という新しいブランドを掲げ、Office 2003を中核としてサーバや製品を組み合わせたシステム体系を提案した。

Microsoft Office System

すべての製品には「Microsoft Office」という名前が付き、ブランドとしての確立を目指す。


 製品ラインアップは4つで、XMLデータ入力のフロントエンドとなるInfoPathを含む7本のアプリケーションで構成されるフルエディションは、コーポレートユースなどに向けたボリュームライセンスのみでの提供となる。また、Professional Edition以上に含まれる各アプリケーションは、ユーザーが任意にスキーマを定義することのできる拡張されたXML機能を備える。

ラインアップ

Office 2003のパッケージラインアップ予定。製品によって提供形態がそれぞれ異なっている。


 OfficeのWebサイトでは、ユーザー7,000人を対象に無償で発売前のOfficeを利用・評価してもらうための「プレリリースキット2003特別提供プログラム」が開始された。このキットには、Office 2003およびガイドブックのほか、コラボレーション環境を提供するSharePoint Portal Server 2003や、Windows Server 2003なども含まれる。

 製品の具体的な発売日や価格については明らかにされなかったが、提供形態やパッケージングが発表されたことで、どのようなユーザーがターゲットになっているかがより明確になったといえるだろう。

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[ITmedia]