エンタープライズ:ニュース 2003/04/23 07:13:00 更新


米AMD、64ビットプロセッサ「Opteron」を発表

米AMDは4月22日、エンタープライズ市場向け64ビットプロセッサ「AMD Opteron」を発表した。ニューヨークで行われたローンチイベントでは、富士通シーメンスやIBM、オラクル、マイクロソフトなどがサポートを表明した。

 米AMDはニューヨークで4月22日、かねてから開発を進めていた同社初の64ビットプロセッサ「AMD Opteron」を正式発表した。

 Opteronは32ビットのx86アーキテクチャをもとに、64ビット対応命令やレジスタを拡張したほか、メモリコントローラとHyperTransportコントローラをプロセッサコアに統合したことが特徴。64ビット対応のx86-64アーキテクチャは「AMD64」と名付けられた。

「AMD Opteron」

「AMD Opteron」


 Opteronには、シングルプロセッサシステム向けの「AMD Opteron processors in the 100 series」、2ウェイシステム向けの「AMD Opteron processors in the 200 series」、8ウェイまでのシステム向けの「AMD Opteron processors in the 800 series」の3種類がある。今回の発表では200シリーズのみをリリースし、800シリーズは今四半期遅くに、100シリーズは2003年第3四半期にリリースするとしている。200シリーズには、パフォーマンスの高い順に244、242、240の3製品があり、1000個ロット時の価格はそれぞれ794ドル、690ドル、283ドルとなっている。

AMD社長兼CEOのヘクター・ルイズ氏

AMD社長兼CEOのヘクター・ルイズ氏(ローンチイベントのWebキャストから)


 ニューヨークで行われたローンチイベントではAMDのヘクター・ルイズ社長兼CEO、創業者のジェリー・サンダース会長が登場し、「Opteron/AMD64はAMDのカスタマー中心のアプローチの成果であり、比類のない高性能を秘めている。まさに64ビットコンピューティングの新しいドアを開けるテクノロジー。未来につながる真のイノベーションだ」とアピールした。

AMD創業者で会長のジェリー・サンダース氏

AMD創業者で会長のジェリー・サンダース氏(ローンチイベントのWebキャストから)


 Opteronはサーバ/ワークステーションなどエンタープライズ市場へ向けた製品だが、ローンチイベントでもそれを反映し、IBMの「DB2」担当ディレクターが登壇したのをはじめ、オラクルやベリタス、コンピュータ・アソシエイツらがサポートを表明した。OSではマイクロソフトがOpteron向け64ビットWindowsの開発を改めてコメントしたほか、UnitedLinux、Turbolinux、Mandrake Linuxが対応製品やサポートを発表した。

 ローンチイベントで注目されたことの一つに、大手サーバメーカーがOpteronについて何らかの発表を行うかどうかということがあった。これについては具体的な製品発表まではなかったものの、富士通シーメンスコンピューターズが次世代のグラフィクスワークステーションへの採用を発表したほか、IBMからもOpteronベースのサーバプラットフォームをリリースする計画であるというコメントがなされた。

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[佐々木千之,ITmedia]