エンタープライズ:ニュース 2003/04/29 23:04:00 更新


エクストリームの役割は「ビジネスパートナー」

米エクストリーム・ネットワークスのダンカン・ポッター氏は、今こそベンダーは、テクノロジに注力するだけでなく、顧客が成長を続けるために必要な本当の価値を提供しなくてはならないと主張する。

「企業は今、コスト削減や投資効果の増大、新規アプリケーションの導入といったさまざまな課題に同時に取り組む必要に迫られている。エクストリームは、これらのあらゆる課題を解決するための支援を提供していく」――米エクストリーム・ネットワークスのマーケティング担当副社長、ダンカン・ポッター氏は、先ごろ来日した際にこのように述べた。

 ポッター氏によると、ネットワークインフラが抱えている課題はいくつかあるが、その1つはセキュリティだ。「あらゆるものがネットワークに接続されるようになる。無線、有線を問わず、すべてが高速で、しかもセキュアでなくてはならない」(同氏)。

 ネットワークに接続されるデバイスが増加し、膨大な数になりつつあることも今後の課題の1つだ。いわゆるPCだけではなく、PDAや電話機、さらには家電製品やそこに組み込まれるセンサーまでもがすべて、無線LAN経由でネットワークにつながり、相互にコミュニケーションをとるようになると同氏は予測する。そうなったときの問題は明白だ。IPアドレスの欠乏である。

 ポッター氏が考える解決策は、もちろんIPv6である。「IPv6によって膨大な数のIPアドレスを利用できるようになる」と同氏は述べ、2〜3年後にはこうした技術が現実に利用可能となり、あらゆるデバイスがIPアドレスを持つようになるだろうとした。

 他にも課題は残っている。新しい――これまでは存在しなかったようなタイプのアプリケーションを導入していくことだ。VoIPがその代表例だが、より多くの帯域を消費し、しかも遅延に敏感なアプリケーションへの移行・導入が求められていると同氏は指摘する。

 その一方で、ビジネス的な観点からは、より効果的な投資が求められる。つまり、昨今のような景気では、TCOの削減に代表される「生き残り」モードでの投資が優先される。だが同時にその投資は、いつか経済状態が上向いたときに、新しい成長につながるようなものでなくてはいけない。つまり、「1つのインフラで、TCO削減と成長という2つのモードの両方に対応できなくてはならない」(ポッター氏)。

 エクストリームでは、コスト効果に優れたネットワークデバイスを提供するとともに、10ギガビットイーサネットやMPLS、IPv6といった技術を強化して、一連の課題への解決策を提供していくと同氏は強調した。その背景にあるのが、「Business Optimized Infrastructure」というコンセプトだという。

「このコンセプトは、今述べたような課題、それにアベイラビリティやモビリティ、拡張性といった問題を解決し、企業の意思決定を支援することを主眼としたものだ。われわれは、企業の目的や環境、アーキテクチャを踏まえたうえで、顧客の事業にとって最適な製品や技術を提供する」(ポッター氏)。このコンセプトに沿って、ヘルスケアなどいくつかの特定市場向けに特化したソリューションも展開しているという。

 ポッター氏はさらに、次のように付け加えている。「優れたテクノロジにフォーカスするだけではだめだ。ベンダーは、企業が生き残り、成長を続けるために必要な、本当の価値について考えなければならない。エクストリームはこうした考え方に基づき、企業のビジネスパートナーとなっていきたい」。

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[高橋睦美,ITmedia]