エンタープライズ:ニュース 2003/05/02 23:55:00 更新


シスコ、「Catalyst」新製品で企業ネットワークの高速化を後押し

シスコシステムズは、新エンジン「Supervisor Engine 720」を搭載したハイエンド製品「Catalyst 6500」や、デザインを一新した「Catalyst 3750」を披露した。

 シスコシステムズ(シスコ)はレイヤ3スイッチ「Catalyst」の強化を通じて、ファストイーサネットからギガビットイーサネットへ、さらには10GbEへの移行を支援していく計画だ。同社はNetworld+Interop LasVegas 2003の会場で、新エンジン「Supervisor Engine 720」を搭載したハイエンド製品「Catalyst 6500」や、デザインを一新した「Catalyst 3750」を披露した。

 Supervisor Engine 720は名称のとおり、720Gbpsのスイッチングファブリックを内蔵している。シスコは同時に、Catalyst 6500用に2ポート/4ポートの10GbEモジュールをリリースしているが、新エンジンではこれらインタフェースの活用に十分な性能を実現できると同社は説明する。またIPv6やMPLS、NATなどの処理をハードウェア的に実装し、より高速に行えることも特徴という。

 今回リリースされた2種類の10GbEモジュールのうち、2ポートモジュールは、メトロエリアや研究機関のようなパフォーマンスを重視する環境向けだ。シスコ独自の高速転送技術、dCEF(distributed Cisco Express Forwarding)の機能をフルに実装しており、ノンブロッキングの処理を実現するという。ただしその分価格も高く、米国でのモジュールの価格は6万ドルだ。

 一方の4ポートモジュールは、より戦略的な製品である。同じCEFでも、フローの増減に応じてキャッシュを活用するaCEF(accelerated CEF)を採用することで、必要十分なパフォーマンスを確保しながら、ポート単価を大幅に下げた。モジュールの価格は、米国では2万ドル。日本での価格は未確定ながら、ポート単価としては150万円前後と従来の約8分の1になる見込みだ。ただ、これら10GbEモジュールが市場に投入されるのは、今年第3四半期の予定である。

デスクトップにはギガビット

 シスコは同時にCatalyst 3750を展開することで、ワークグループレベルのネットワークでも高速化を支援するという。Catalyst 3750は、最大9台までのスタックが可能な製品で、最大32Gbpsのスタッキングバックプレーンを構築できる。またこの際、各スイッチのリンクをリング状に形成し、どこか一部に障害が発生してもトラフィックおよびアプリケーションに影響を与えないような構成も可能という。

cisco_cat.jpg
デザインが一新された「Catalyst 3750」。来場者からも「ずいぶん印象が違うね」とコメントされていた

 同社ではこの製品を、デスクトップクライアントのすぐ近くにまでギガビットイーサネットを供給するためのコンポーネントと位置づけている。価格は24ポートの10/100/1000BASE-T搭載モデルが5995ドルから、これに4ポートのアップリンクが加わると6996ドルから。

 シスコではこれらの製品を通じて、クライアント端末まではギガビットで、コアネットワークのスイッチ間は10GbEで結んだエンタープライズネットワークが実現できるとしている。

関連リンク
▼Networld+Interop LasVegas 2003
▼シスコシステムズ

[高橋睦美,ITmedia]