エンタープライズ:ニュース 2003/06/04 17:06:00 更新


Salesforce、ビジネスアプリケーションカスタマイズプログラム「sforce」発表

Salesforce.comは6月3日、Salesforce.comのビジネスアプリケーションをカスタマイズして、新しいオンラインシステムを構築するためのツールやサービスを提供するプログラム「sforce」を開始した。

 Salesforce.comは6月3日、デベロッパーが同社のビジネスアプリケーションをカスタマイズして、新しいオンラインシステムを構築できるようにするためのプログラムを開始した。

 以前の報道にあった通り、Salesforce.comの「sforce」は、プログラマーにオンラインアプリケーション開発ユーティリティを提供することで、PDAおよびスマートフォンなどのモバイル機器や、PC向けのビジネスアプリケーションのカスタマイズ版を構築できるようにするものだ。開発者らは、MicrosoftやBorland、Sun Microsystemsが提供する既存の開発ツールとsforceを併用して、Salesforce.comのアプリケーションにストアされているデータを新規、あるいは既存の業務用アプリケーションと統合することができる。

 sforceではまず、Salesforceのアプリケーションと連携する新しいオンラインプログラムを構築するために、人気の高いソフトウェア開発ツールと連動するインタフェースをプログラムするサービスや、アプリケーションが利用可能になる。これらのサービスは、大手企業に勤める開発者を対象としている。

 サンフランシスコを本拠としているSalesforceは最終的に、ほかのソフトウェアベンダーがアプリケーションを顧客に配布する際に、Salesforceのホスティングサービスを利用するように促したいとしている。

 Salesforceは、顧客の買い物履歴の追跡や、買い物動向の予測を支援するように設計されたこの業務用アプリケーション市場で、Siebel SystemsやSAP、PeopleSoft、Microsoftと競合している。Salesforceが競合企業と大きく違う点は、Salesforceの顧客が同社のソフトウェアを使用する際にインターネットを利用する点だ。Salesforceの顧客は、自社のPCにソフトウェアをインストール・動作させ、Salesforceに月額使用料金を支払う。

 Salesforceは6月3日の発表で、Webサービスプランであるsforceの新しい特徴を披露した。Salesforceは、提携を結んだ大手ツールベンダーのリストを公表したが、この提携は、Salesforceがホスティングサービスを提供する複数のツールベンダーから供給されるソフトウェアを開発者が使用して、アプリケーションを構築できるようにする下地を整えるためのものだ。

 これらの提携により、開発者はSunの開発ツール「Sun ONE Studio」や、Microsoftの「Visual Studio .NET」、Borlandの「JBuilder」、BEA Systemsの「WebLogic Workshop」を利用できるようになる。Salesforceによると、sforceのツールを通して、認証やデータ管理、文書管理、テキスト検索のようなサービスを利用できるようになるという。

 さらにSalesforceは、sforce上で対応製品を提供し、Webサービスアプリケーションを構築するために、ソフトウェアメーカー25社と提携を結んだと発表。これらのソフトウェアメーカーには、AvantGoやBlue Martini、Business Objects、Cape Clearなどがいる。

 Salesforceは、アプリケーションの統合および開発の効率向上のために、Webサービス開発技術のほかに、XML(Extensible Markup Language)やWSDL(Web Services Description Language)、SOAP(Simple Object Access Protocol)などの標準を利用している。

 Salesforceによると、sforceの月額使用料金は、ユーザー1名当たり50ドルとなっており、オンライン上にストアするデータは1Mバイトごとに、1ドルの追加料金を別途必要となる。なお、初年度は初期登録3アカウント分と、10Mバイトのディスクスペースを無料で提供するとしている。

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[ITmedia]