エンタープライズ:ニュース | 2003/07/09 23:41:00 更新 |
SODECレポート
ビジネスになり始めた.NETツール
今年のソフトウェア開発環境展(SODEC)では、マイクロソフトのWindows Server 2003およびVisual Studio .NET 2003の発売直後ということもあって、関連したプロダクトやソリューションの展示が目立っていたようだ。
会場となった東京ビッグサイトの東5ホールは、開発支援やコンサルティング、プロジェクト管理、帳票作成ツールといったように、プロダクトやサービスのジャンルによって大まかに区分けされた展示がなされている。中でも今年最も目立ったのは、Windows Server 2003のソフトウェア動作環境である.NET Frameworkや、Visual Studio .NET 2003への対応をうたったツール群である。.NETもビジネスブランドとしていよいよ確立されてきた感がある。
日立ソフトウェアエンジニアリングのブースでは、.NET対応アプリケーション開発のフレームワーク製品である「anyWarp for .NET Framework V1.1」が展示されている。従来のWebアプリケーション開発専用バージョンを、オフラインのC/Sシステムにまで応用できるようにしたもの。ユーザーインタフェース部分とビジネスロジック部分を完全に分離でき、それぞれ並行して開発することが可能。
画面の流れを定義するページフローデザインにはMicrosoft Visioを利用することができ、デザインをXMLへエクスポートすることでVisual Studio .NETへ取り込むことができ、制御も可能となる。価格は、開発に利用できる50ライセンス付きの場合300万円から。発売は9月1日からとなっている。
SLジャパンでは、Visual Studio .NET 2003で利用可能なグラフィックスオブジェクトの作成・適用ができる「SL-GMS Developer for .NET」のデモンストレーションが行われていた。
動的な振る舞いをするグラフィックスをドローツール「SL-GMSDraw」で作成、カスタムコントロールによってフォームへ配置すれば、高度なグラフィックス機能を持ったアプリケーション開発が行える。オブジェクトの描画も高速に行われており、リアルタイムアニメーションによる表現力豊かなアプリケーション開発が実現できそうだ。
.NET環境で利用可能な各種コンポーネントの展示も多い。データ接続コンポーネントのリーディングサプライヤとして知られるデータディレクト テクノロジーズは、「DataDirect Connect for .NET J1.1」を展示。ADO.NETから利用できるOracleおよびSybaseに対応したデータプロバイダだ。フルマネージドコードによってCLRの管理下に置かれ、優れたパフォーマンスやセキュリティ面での優位性を持つという。
エージーテックではおなじみの.NET 開発環境向け難読化ツール「Dotfuscator」や組み込み用データベースの「Pervasive.SQL V8」、通信コンポーネントの「IP*Works!」などを展示。先進的な開発者たちの注目を集めていた。
別会場では出展社による製品・技術セミナーも行われていた。グレープシティによる「.NETによる次世代アプリケーション開発」は、受講者多数で入場が制限されるほどの盛況ぶりであり、イベント全体を通じて見ると、開発者の新技術に対する関心の高さをうかがい知ることができた。それとともに、「.NET対応」というフレーズが商品の価値を高めるだけでなく、もはや開発系ツールではスタンダード、あるいは必須の要素になりつつあるということも認識させられた。
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日立ソフト
SL ジャパン
データディレクト テクノロジーズ
エージーテック
ソフトウェア開発環境展
[柿沼雄一郎,ITmedia]