| エンタープライズ:ニュース | 2003/07/31 23:10:00 更新 |

米Click2learnのオークスCEO、e-ラーニングの可能性を語る
e-Learning WORLD 2003に出席するために来日した米Click2learnのケビン・オークスCEOに話を聞いた。e-ラーニングは、いわゆる研修ではなく、営業担当者の業務スキルアップなど、より実践的な利用の仕方が進むという
7月30日から8月1日の3日間、東京ビックサイトにおいて、「e-Learning WORLD 2003」が開催されている。企業における教育・研修体系を変革する方法論としてここ数年注目されているe-ラーニングだが、現状は伸び悩んでいるとの指摘もある。米国では、Docent、SABAなどと並び、いわゆる御三家の一つにClick2learnが挙げられる。同イベントで講演などを行う予定で来日した米Click2learnのケビン・オークスCEOに話を聞いた。

e-Learning Worldについて、「多くの人が来ていることが印象的。日本市場はまだ成熟しておらず、1997年の米国の状況に似ている」と話すオークスCEO。
「e-ラーニング業界では淘汰が進んでいる」と話すオークス氏。力のあるベンダーがさらに強くなる傾向にあるという。同社は、米Microsoftの創設者の1人、ポール・アレン氏が設立したAsymetrix Learning Systemが前身となり、1999年10月に現在の社名に改めた。主力製品は、Webベースのe-ラーニングプラットフォーム「Aspen」だ。
Aspenの主なユーザーとしては、米Microsoftや住宅不動産販売の米Century 21 Real Estateが挙げられる。MicrosoftのVoyager Learning Centerでは、世界120カ国のセールスおよびサービス部門の1万5000人、世界28カ国3万店におよぶセールスパートナーが、Aspenベースのトレーニングコースを利用している。例えば、ユーザーは、Windows XPやOffice XPなどの製品知識をトレーニングを通じて獲得したという。
一方、Century 21では、Aspenを導入したことで、営業担当者に対して、集合研修とe-ラーニングを併用するブレンディッド・ラーニングシステムを展開した。同社にとってe-ラーニングへの移行は、フランチャイズ店舗の競争力を高めるためのトレーニング戦略の基礎となったという。これにより、出張経費を削減できただけでなく、営業スタッフの1人当たりの売り上げが、従来の7500ドルから9800ドルと、33%も向上したとしている。
日本市場にも高いポテンシャル
同氏は、日本市場について、「やっとe-ラーニングが認知されるようになった」と話す。昨年は経済の失速に足を捕られたが、ナレッジワーカーが多いことからも、今後の伸びを期待しているという。
同氏が強調するのは、人事部が行ういわゆる研修ではなく、営業担当者などの現場の社員が自社製品の知識を得たり、業務ノウハウを蓄積するためのe-ラーニングだ。例えば、売り上げ成績のいい社員が持つスキルを、形式知、暗黙知の両方の観点ですくい上げ、社内で共有していく。
Click2learnは、e-ラーニングの相互運用性と互換性のための仕様であるSCORMを策定したADL (Advanced Distributed Learning Initiative) から「唯一認定を受けている」としてアピールした。ライバルであるDocent、SABAは、まだこれを受けていないという。

Aspenのデモ画面。各ユーザーは自分のスキルレベルや将来の構想に合わせ、必要なトレーニングコースを受ける。Aspenでは、実際にトレーニングを受ける前に、それぞれのスキルレベルなどについて、事前アセスメントを行うことで、効率的な学習を進めることができるという。
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[怒賀新也,ITmedia]
