エンタープライズ:ニュース 2003/08/05 16:38:00 更新


Keynote:Windows Server SystemはWebサービスに最適のプラットフォーム

5日、Microsoft Tech・Ed & EDC 2003 YOKOHAMAが開幕した。午前中にはExchange Serverの設計チームを率いるマイヤーソン氏が「可能性の扉を開く 〜Integrated Platformが想像する情報システムの価値〜」と題してスピーチした。

 マイクロソフトが主催するテクニカルカンファレンス「Microsoft Tech・Ed & EDC 2003 YOKOHAMA」が8月5日、パシフィコ横浜で開幕した。日本での開催は、Tech・Edが9回目、EDC(Enterprise Deployment Conference)が2回目となる。今回は5、6日がEDC、7、8日がTech・Edの全4日間で、前回(Tech・Ed 2002)より1日長くなった。セッション数は全部で90と1割ほど増えた(前回は82)。参加者数は非公表だが、3000人くらいと推定される。

 5日の朝にはEDCのキーノートスピーチとして、米MicrosoftのDirector of Program Management Exchange Server Group、テリー・マイヤーソン氏が「可能性の扉を開く 〜Integrated Platformが想像する情報システムの価値〜」というタイトルで講演した。

米MicrosoftのDirector of Program Management Exchange Server Group、テリー・マイヤーソン氏

米MicrosoftのDirector of Program Management Exchange Server Group、テリー・マイヤーソン氏


 マイヤーソン氏は、既存のシステムに新しいITインフラを付加していくことを都市の発展になぞらえて「(欧米の)街には50年前、100年前に建てられた建物があります。これらの建物を水道や電話、電気などの新しいインフラに対応させるための補修や改築は、ビルを壊してしまうことなく行われてきました。Webサービスなら、システムを一から作り直すことなく、システムを接続して新たな価値を創造することができるのです」と説く。

 企業固有の生産管理システム、小売りシステム、ERPやCRM、運送や出荷のシステムを業界標準のWebサービスによって連携させ、そしてそのWebサービス上に、Microsoftが構築しようとしているのが数多くのServer製品群からなるWindows Server Systemだ。Windows Server Systemは、Active DirectoryやPassportによる認証の統合管理や、XMLやXSD、WSDLを利用したメッセージ、データ、スキーマ、WSセキュリティ、PKI、ISA Serverなどを使ったセキュリティ、BizTalk Serverによるプロセスとワークフローなど、Webサービスを利用しやすくする共通のサービスインフラを提供していくという。

 マイヤーソン氏はWindows Server Systemで提供するインフラを、インフォメーションワーカーインフラ、アプリケーションインフラ、オペレーションインフラの3つに分けて説明した。

 インフォメーションワーカーインフラは、IT投資を増やさずに個人の生産性をさらに向上させるもので、Exchange Server、Project Server、SharePoint Server、Live Communications Serverの4製品が含まれるという。キーノートスピーチでは、まもなく出荷される「Exchange Server 2003日本語版」や、次期「SharePoint Server」、次期Officeに含まれる、「InfoPath」などのデモンストレーションが行われた。特にExchange Server 2003については、Exchange 5.5に追加した新機能や運用管理のしやすさ、可用性の向上などにポイントを当てて詳しく紹介した。

 アプリケーションインフラは、サービス指向のアーキテクチャーに向けたインフラとツールを指し、年内に出荷予定の「BizTalk Server 2004」がこれに含まれる。BizTalk Server 2004は、開発者にとってはVisualStudio .NET統合による開発環境の標準化、ITプロフェッショナルにはXSDなど標準技術採用による高い相互運用性、インフォメーションワーカーにはOfficeとの高い親和性を提供するという。Tech・Ed & EDC 2003 YOKOHAMAの参加者には、BizTalk Server 2004のβ版評価キットを提供開始している。

 3つ目のオペレーションインフラは、システムのライフサイクル全体を通して管理の簡素化と柔軟性を追求し、自動化の飛躍的な向上を可能にするという。マイヤーソン氏によれば、現在のITシステムの運用では、IT管理者の作業の多くが手作業によって行われており、貴重な時間を浪費しているという。そこで運用管理を自動化することで、IT管理者の時間や投資を競合優勢のために使えることを目指すとしている。Internet Security & Acceleration ServerやWindows Storage Server、Systems Management Serverが含まれる。年内リリース予定のSystems Management Server 2003のデモンストレーションでは、クライアントPCのセキュリティパッチの適用情報を統合管理し、SMS 2003側からクライアントPCにパッチファイルを配布して見せた。

 マイヤーソン氏は最後に「Windows Server Systemは、Webサービスを実現する上で最良のプラットフォームです。ぜひマイクロソフトの新しいサーバ製品群を試してください」と呼びかけた。

Windows Server System製品ロードマップ

マイヤーソン氏が示したWindows Server System製品ロードマップ


関連リンク
▼Tech・Ed & EDC 2003 YOKOHAMA
▼マイクロソフト
▼Windows .NETチャンネル

[佐々木千之,ITmedia]